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由香里立つ!
「ふふ・・5対3対2ですわ、甲斐田さん。土地はHZKのもんじゃきんね」
立場が逆転したのだ。
甲斐田は、改めて沢木のネゴシェーターの才能に、少し背筋が寒くなった。日頃親密にしては居ても、企業人と言う立場では、一歩も気を緩める事は無い。食うか食われるかである。
佐伯とも再交渉。佐伯は、立場が逆転した事を、身を持って知る。そして沢木の本当の怖さをも知るのである。
その報告を受けた、HZKの佐久間は内心小躍りした。しかし、橋田は既に多数派工作をし掛け始めていた。沢木は危険・・それは、先日の会話でも充分認識していたからだ。
「お早う御座います!」
この朝一番乗りしたのは、とりだった。由香里の元気な姿を見たくて、八百屋をお袋さんに任せてやって来たのだ。
「お・・未だ店開いてないでや、とり君」
洋司は苦笑い。
「わし、昨日から一睡もしとらんのですわ、早う由香里ちゃんの顔見とうて・・」
「はは・・有難うちゅうとこじゃきんど、寝とんと違うか?未優ちゃんも泊っとるしな」




