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由香里立つ!
そして、又佐伯との接点が間近に迫って来るのである。どうしても、安息の場には沢木自身は居れないようだ。佐伯の動きは当に怒涛の如く、もう時代の波にそのまま乗るように、急激な階段を上って行く。実は沢木が、心配しているのはこのようなワンマン起業家は、勢いのある時は良いが、本人不在の時、或いは倒れた時、片腕として任せられる人材が育っているかと言う懸念・・恐らく皆無であろう。誰も彼にブレーキを掛ける者も居ない、もし居たら阻害され、跳ね出されてしまうだろうと思った・・。
沢木が佐伯の事務所に呼ばれていた。本来なら対等の出資者と言う関係であろうが、既にHZKのトップ達と会合をした佐伯には、沢木は現場担当の平取の一人に過ぎない。そう言う人を区別する人間である。勿論言葉は慇懃ではあったが・・。
「いやいや・・お忙しい所、本来私の方からお伺いせんといかんのに、おいでて貰いまして、恐縮です。娘の事もお願いせにゃならんですきんね、ほんまに済みません」




