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由香里立つ!

 時間も潰す訳にも行かず、沢木は、それから川滝の家に向った。引越し以来も度々訪問しているが、川滝は急速に足元が弱っていた。それは年齢から来るものではあるが・・。


「おう、じゅん、しばらくじゃのう」


 外に出ていたが、杖をついて足元がおぼつかない様子。


「かなり・・足、辛そうじゃなあ」

「娘も孫も良うしてくれる・・環境も言う事無い」


 沢木は、言葉の奥を読んでいた。


「そやきんど、ここらは高台・・坂が多いきん、堪えるな」

「ほなん事は死んでも言えん・・年じゃわ、わしも」


 それ以上は、沢木も言えなかった。それを言った所で、川崎の現状が変化する事等無いからだ。


「川滝さん、ほれより、500キロ、700キロ・・とりが大活躍じゃあ、川滝系で」

「おう・・電話貰うた、とりから。はは。なかなか頑張っとる。短・中距離に狙いを絞るちゅうんは、或る意味正解かも知れん。洋司君とことは、又筋が違うきんのう」

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