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由香里立つ!
喫茶店は、秋のレースも終了し、若手達が今日も詰めかけている。
洋司が笑いながら、
「おーい・・ええ若いし(衆)が、天気もええのに、デートする相手も居らんのかい」
「あいた!それ、洋司さん、禁句で・・いたたた」
はははは・・笑いが溢れる。すこぶる明るいのは、由香里が戻って来る。その情報が既に伝わっているからで、今回招待出来なかった者にも、その状況は理解出来ている。敢えて、その日まで、由香里の話題はしないと言う彼等の気持ちも、良く伝わって来る。真に由香里の事を思ってくれる彼等だからだ。
そこへ美香がやって来る。
「お早う!」
「おう、美香ちゃん。いらっしゃい」
洋司が言うと、店内をきょろきょろしている様子。若い子が美香を呼ぶ。何人かは沢木の事務所にしょっちゅう出入りしている美香を知っているからで、品の良い綺麗な顔立ちの娘さんだ。




