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由香里立つ!
橋田の顔が真っ赤になった。新川副社長がここで、
「沢木さん、これまで佐久間社長、私の決済と言う形でベンチャー起業に投資して来ました。しかし、そこで、もし我々が誤った判断をしたらば、会社全体に影響が出ます。10億円と言う投資は確かに少ないかも知れません。しかし、それが今のHZK、貴方が言われる脆弱な基盤なのです」
沢木は、頷きながらも、
「ええですか?HZKがここまで成長したんは、羽崎前会長のお人柄、新川前常務のご助力、グループ企業を束ねて来た、ここに居られるHZK生え抜きの皆さんのお力じゃあ。その上に佐久間社長のご努力、新川副社長の先見性。企業がここまで成長する要因があった訳です」
沢木はこれまで苦労して来て、色んな労苦を共にして来た役員達を代弁してこう言ったのだ。それは、多くの役員の同感を呼び、この役員会の重苦しい雰囲気を一変させた。しかし、これは、橋田にとって、沢木と言う役員が、危険だと思う強い意識を植え付けたのである。
沢木は更に言葉を続ける。




