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新たな動き

 橋田が、信一郎の紹介と言う事で、いきなりの専務取締役就任。叩き上げである桜井等は不満が少しあった。木村も取締役には名を連ねているが、デザインの天分に比しては、比類ないが、元より普段は大人しい人物。そんな中、橋田がこれまでHZKがベンチャー投資している書面の中で、3つの案件を指摘する。そのどれもが沢木の手掛けたものであった。少し新川元常務取締役、桜井取締役の顔色が変わった。


「このベンチャー投資ですが、2億円もの高額ですね、多色刷り印刷機及び、建造物・・これは、どう言う?」


 副社長となった新川信一郎が答える。


「それは、我がHZKの宣伝ちらしや、書籍、そう言う物を専属にやって頂く印刷会社への投資です。金額は大きいですが、HZKはその保証だけです。10年で回収出来る予定です」

「はい・・それでは?この石川デザイン事務所への3億円を超す投資については?」


 佐久間が今度は答える。


「いずれ、近将来我がHZKグループ入りして貰う会社です。全般のテナントの全てのデザイン、企画を担当して貰う予定ですよ、橋田さん」

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