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由香里立つ!

 話は多岐に渡り弾んだ。地理、人情、歴史、資本論・・沢木のその知識は、到底磯川も及ぶ所では無いと思った。香月をして、深く敬愛する人物だ。それは、奥底が知れないものを感じた。

 何時しか午後10時を指していた。

 話は、ここで病院経営に移ると、沢木は、


「春から、うちの環をよろしゅうお願いします」

「いえ!こちらこそ、環さんからお電話頂いた時は、飛び上る程の感激でした。自分で、何をすべきか、全て分かって居られる・・流石沢木さんのお嬢さんです」

「いやいや・・未だ医療の現場に携わって間の無い勢いだけの人間です。ただ・・お世話になるに当たって、3年ちゅう期間を区切らせて貰えんですかいね」

「・・3年?お嬢さんでしたら、どんなポストも用意させて頂きますし、老人ケアセンターのマネージャーが出来る人材だと考えているんです、沢木さん」


 少し磯川が難色を示す。沢木が、環の婚約の事、そして自分の構想の事を磯川に話すと、


「場所・・変えませんか?すぐ近くですが・・」

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