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由香里立つ!
「あ・・善さん、ええ事言うてくれました」
沢木がぱっと明るい顔になった。続けて、
「はは、こなな娘婚約さす言うのに、物分りのええ父親居らんですわいね、善さん」
沢木が言うと、
「その仮の息子が一緒に又手伝うてくれるゆうとんのや、断る父親居るかい、わはは」
はははは・・男同士。善さんと沢木は、何でも分かり合えていた。
和子と環は深夜まで話し合ったようだ。それは初めて意地っ張り同士が、本音で語り合ったのである。翌日には明るい顔を見せていた。
沢木が起きて来て、食卓に和子と環を呼んだ。殆ど眼の開かない母娘に、朝食を用意した父親。その食卓を見て、母娘は目を開く。
「え・?何で赤飯?親父・・これ、何の祝い?」




