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由香里立つ!
沢木は、興奮する和子に、まあまあと言いながら、
「お前・・磯川君とこ行きたいん違うんか?ひょっとして」
一呼吸あった・・そして頷く環だった。
「あんた・・何言うとん?環・・」
和子が絶句する。環が、磯川の人間的魅力に惹かれているのは知っていた。ただ、男女と言う感情で無く・・
「春までに、介護福祉士の1級を取る。うち・・老人ケアをやりたい」
「環、あんた結婚し、な、あの妻鳥君じゃったら、礼儀も正しいし、な、そうしい」
突然和子が言い出す。
「何・・言うとる、和子、お前」
沢木が言うと、わあっと今度は和子が泣き出した。
「そやって、そやって!この9年間、環っちゃ駆け落ちして家出て行って、何の音信も無う、突然家に戻って来たか思うたら、又何でな!もう年の27歳じゃ言うたら、結婚して子供授かっとる年じゃろがな、年頃の娘二人居って、二人とも又居らんようになる。うちは、何の為に働きよんよ、孫をこの手で抱きたい言うて、ささやかな、ほんまそなな夢も持たしてくれんのな、わああああっ!」




