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由香里立つ!

「どなんした、とり君」


 ぼんやりしているとりに、洋司が声を掛けた。


「あ・・何でも無いですきん」


 そう答えたとりであったが、やはり何時もの様子とは明らかに違っていた。

 その訳とは・・

 沢木家・・久し振りに、善さんを加えた一家団欒の場が出来ていた。


「【梅錦の蔵開き】じゃあ、冷でいかんな善さん、和子、環もやれや。美味いど」


 沢木が勧める。次女未優は2週間後、久し振りにこっちへ戻って来ると言う。

 4人とも日本酒はいける口であるが、たくさんは飲まない。


「熱燗も欲しいの、この酒やったら」


 善さんが言うと、

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