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由香里立つ!
厳選の上に、厳選された選手鳩しか競翔に参加しないのだ。これは、故鎌足氏の夜風系にも通じる。しかし、その血統とは根本的に、違う・・それは、この後の会話で明らかになって行くのだった。
答えたのは江田だった。
「おう、もう圧勝じゃ。きんど、それは飼料一つ、飲料水一つ、訓練一つ取っても全てに置いて違うわ。栗田君とこはの。血統の良さもあるきんど、一番違うんは海藻よ。天日に干して飼料に混ぜとる。半年やったら、全然艶が違うきんのう、鳩の毛艶・・」
沢木が、
「海藻言うんはええねえ、自分とこで調達出来るきん、それはええ。ほやきんど、栗田さん式の子取りを続けたら、一番の親鳩からは、せいぜい、生涯30羽前後な?直子が作出出来るんは」
こくんと栗田が頷いた。別に喋れぬ事は無い、極端に口数が少ないだけだ。
「ほうなると・・毎春の参加羽数は前年比1割増しちゅうて考えたらえんですか?親鳩の作出ピークもあるじゃろきん、その選手鳩の中から種鳩が交代する言う考えで、構わんのじゃね?」




