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由香里立つ!

 沢木は、ここまで説明すると、童顔のような笑顔になって、


「わしな、この関川ちゅう川が大好きなんじゃわ。ここは、日本でも有数な鉱物産地での、あの見える東赤石山や、権現岳、ニッ岳・・色んな高変成を受けた岩脈から切り取られた鉱物が、流れて来る。ここでわしはもう80種類の鉱物を大学に持ち込んだり、コレクションしとる。こう言う自然が、身近に残って、趣味と言う心を豊かに出来る時間に割ける事・・幸せじゃと思わんか、とり君。わしはの、この自然の遺産を後世に伝えたいんよ、あ・・こりゃあ、今まで採取した 事無い大きなルチルじゃあ」


 沢木が、赤褐色の光沢ある親指大の石をとりに示した。鉱物には全く知識の無いとりには、それがどんな価値があるものかは分からなかったが、何か総身が痺れるような感覚に陥っていた。この沢木と言う人は、とてつも無く大きい。自分の父は亡くしたが、親父の姿をそこに見た。

 そして・・とりと離れて河原を歩き出す沢木に向かって、


「沢木さーん、わし、やります。やらせて下さい。お願いします!」

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