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由香里立つ!
それは、衝撃的な記録であった。瞬く間に連合会には、脅威の高分速が出たと話が駆け巡る。洋司が、沢木がいとも平然と、その帰舎を予想していた節があるのを、身近に感じていた。数羽が、圧倒的な分速でこの700キロ4連合会合同レースを制したのは、間違い無い所だろう。その中に、ヒデ君の秀波号と言う突出した鳩も確かに居る・・
鳩時計の開函は、明後日。この夕方からぽつぽつ会員達が洋司の喫茶店に集まって来る。洋司の2羽は戻って居た。しかし、打刻したのは1羽。
「いやあ・・たまげた。700キロレースで?300キロや、400キロレースで無いんで・・昼過ぎに鳩が戻んて来るっちゃ、信じれんわ。それも沢木さんとこ6羽全鳩じゃ言うとるで無いな」
そう言ったのは、強豪の旭である。旭の鳩舎一番乗りは、午後2時半だと言う事だ。打刻がはっきりすれば、全体で分速1700メートル台?とさえ予測されるこの700キロレースの全容が分かるが、未だ帰舎していない鳩舎も多く、色んな情報が錯綜している。
「洋司さんとこ何時な?」
旭が聞く。




