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由香里と勇次

 頭を大きく下げて、沢木は松本宅を後にした。この何かが・・沢木を競翔界と再び接点を持つ出会いとなるのであった・・


「由香里姉ちゃん、鳩触らせて!」


 週末に、勇次がやって来た。


「うん、上行こ!」


 由香里が勇次の手を引いて、2階に上がるのを微笑ましそうに、洋司、健治が見つめていた。


「ちょっと外出ます?三島さん」

「あ・・はい」


 洋司が三島とちょっと近くの喫茶店に行くと言うのを、中でゆっくり茶でも飲んだら良いのに・・と八重子は口を尖らした。洋司には少し目的があった。

 面と向かって対話するのは、何度も顔を合わせている二人だが初めての事だった。


「いやいや・・家でゆっくりして貰いたかったちゅうのもあるんじゃけど、ちょっと三島さんに聞きたい事があってね、済みません」

「あ、いえ・・で?何か・・」

「実はね、健治さん。勇次君の事・・ちょっと聞いてもええですか?」

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