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転換
「えんです、えんです。川滝さんとの事、沢木さんの事、閃竜号、輝竜号の事何でも構わんです。3シーズン、競翔やって、1羽の鳩も落伍して無い言うんは特筆もんですきんね、デビューレースからの連勝、ほんで、閃竜号。輝竜号の超高分速。連勝・・外す訳にいかんでしょ、やっぱり」
「ありゃあ・・ほな、頑張って見るわ・・困ったのう」
環がカウンター内に戻って来る。
そして、
「よおおっちゃん、あらかた書いて見て。由香里もの書くの好き見たいじゃし、未優が出版社創設する言うんも何年先の事か分からんきんど、丁度えん違う?由香里の経過も順調過ぎる位で、ちょっと現実の世界に戻って貰うんも・・」
「お・・そうか。ほな、環ちゃん、わし何とか纏めて見るわ、文章」
由香里の退院許可が、正式に降りた・・・それは予想より遙かに早い10月中旬との事。八重子が今喫茶店に居ないのは、由香里が着る洋服を早速買いに行ってるからだ。 夢にまで見た母娘のミニスカート姿・・それは、イクちゃんが見せられた、両足切断の現実からは、想像も出来ないものであった。




