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転換
「こんにちは」
ヤマチューが驚き、
「ありゃ、あんた・・」
ぺこっとして美香が頭を下げると、ヤマチューが怪訝顔・・
「何ぞ、未だ用事あったんかいの?わしに」
こら・・と言う顔で、沢木がヤマチューを睨む。
美香が少しおどおどしている。
「ごめんなさい・・仕事中に・・うち、善おじさんに会いに来たんです」
「へ?善さん・・」
ヤマチューがきょとんとしているが、沢木が、
「屋上に居るわ、美香ちゃん、遊んどいで、カイと」
美香が頭をぴょこっと下げると屋上に上って行く。その後姿を何でじゃ?と言うようにヤマチューが見ている。
沢木が笑いながら、
「すっかりお気に入りのようでの、善さんも自分の娘ちゅうたら失礼じゃきんど、あの娘と最近ようカイを連れて散歩しとるんじゃ。犬が好き見たいじゃわ。お前に会いに来たんと違うきんの、ヤマチュー、ははは」




