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 洋司が少し驚きながらも、モーニングセットを持って来る。外はこの日小雨が降り、少し土曜日の朝だと言うのに、客の入りは悪かった。奥のテーブルに座った二人。沢木はイクちゃんの顔を見ながら、


「心配か・・?由香里ちゃんの事」


 こくっと、黙ったままでイクちゃんは頷いた。


「ほうか・・よう分かる。気持ちはの、イクちゃんは由香里ちゃんの事大好きなんじゃの?」

「はい・・。自分は本気ですきん」


 沢木は、静かな口調と穏やかな顔で、


「よう話してくれた。イクちゃん、ちょびっとわしと付き合うてくれや。構わんか?」

「え・?」


 沢木は、洋司に目配せしながら、イクちゃんと出掛けて行った。沢木運転の車はどんどん山奥に入って行く。どこへ行くのか検討もつかない。鬱蒼と茂る檜と杉の樹木が、圧迫感を持って迫って来るようだった。

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