110/3046
由香里と勇次
沢木は、そしたら今から仕事に向かうと、佐々木家を後にした。しかし、そのまま松山に向かったのでは無かった。松本の家に向かったのである。松本は自宅裏にある、菜園で農作業をしていた。
「精が出るねえ、おいやん」
「お!じゅん・・沢木どなんした?」
「今日はちょびっと遅めに松山行くきん言うて、連絡した。時間ちょびっと出来たきん、おいやんの松風号見せて貰お思うてな」
「ほい・・そりゃ、簡単な事っちゃ、ちょっと待ってくれ」
松本が農作業を中断して、沢木に向かって来ると、沢木も一端車に戻って、それから、又戻って来た。脇には、小箱を抱えていた。
「おいやん、これでも食べてつか、美味いんで。この製麺所のうどんは」
「おう・・そりゃ済まんな。気やか遣わんでええのに。ま、遠慮無う頂くわ」




