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由香里と勇次
その鳩小屋の中に入った沢木の余りに真剣で鋭い視線は、鬼眼そのものだった。温和で優しい普段の沢木とは全く違う表情に、八重子も、由香里も彼の違う一面を見て、驚いた顔をしている。そっと、仔鳩達を戻した沢木が振り向くと、
「・・どないした?2人共・・」
2人が面食らっていた。
「じゅんおっちゃん・・余りに真剣で・・怖い顔やった・・」
沢木はすぐ何時もの顔になり、
「あ・・済まん。職業柄ちゅうんか・・どうしても、真剣に見る時はそうなんじゃ。いやあ・・香織ちゃん、ええ鳩じゃあ。流石はおいやん、ええ鳩選んどる」
「うわ・・嬉しい。じゅんおっちゃんにそう言うて貰えたら、最高じゃし」




