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秘めた才能
雑談の中で、次第にこの日訪ねて来た、燧灘競翔連合会重鎮二人の意図が、見えて来た。
「・・来春までには組織もきちんとせにゃならん、沢木、お前も幹部として力貸してくれや。お前が忙しい男ちゅうんは知っとる。ほれでも、是非必要じゃとわし等は思うきん」
「・・手助けはさして貰う。ほんでも、わしははっきり言うて、2年間だけの限定復帰でこの世界に戻った男じゃ。先ある燧灘競翔連合会に、波風は立てとう無い。わしをええように思うとらん古参や、中堅もかなり居るきんの、二人に迷惑は掛けられんし」
松本が、
「ほなん事言うたら、どこの世界、又競翔連合会、又この協会にあったって、勢力争い、人間関係のトラブルはあるわいや。結局の所、誰も自分の巣を壊してまで自立し、食うていけるもんが居らんきん、どっかで折り合いつけもって、世の中回っとんじゃろが。又、見渡してもそこまでの気概ある者も居らんわい」




