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秘めた才能

「・・あの、沢木さんの初霜号使翔と、閃竜号の使翔法は同じですかいね?わし、何度も触らせて貰いよんじゃきんど、分からんのですわ。特に閃竜号ちゅう鳩が・・あなん、爆発的なスピード持っとるきん、その潜在能力の高さは分かるんじゃきんど・・その」

「うん・・・言いたい事分かるど。500キロまでの記録しか無い鳩、何を大きい名前つけて、わし等が大騒ぎしよんかちゅう事じゃわの?又、松竜号、輝竜号も、未だ海千山千じゃのに・・のう」

「あ・・いや、そなん事」


 秋山が少し慌てたが、


「ええ、ええ。そう言う指摘ありじゃ。今のレースさえ見えん競翔で、実績も無い鳩を評論したり、異常な期待しとるんが可笑しい。その通り。ほんで、実際戻んて来る保証も無い。ただの・・秋山君。君がさっき、300キロ位で落伍するような血統は飼うて無い言うたんと同じ、ほなん実力の見えん鳩を、期待も何もせん。わし等は長年の経験と、血統ちゅうんを少々は分かっとる。そこから産まれる法則ちゅうんが、ある程度あるんよ。言うたら、700キロレースまでは落伍ささんちゅう自信がの。それが経験ちゅうもんかも知れん。秋山君、300キロまで落伍ささんちゅう自信があるんなら、500キロレースまでは、ほとんど落伍もささんじゃろ。問題は次の700キロじゃ。の?そなん思うじゃろ。実際佐々木鳩舎は、競翔を始めて2シーズン目じゃきんど、1羽も落伍させて無い。そう言うんが最初から出来る鳩舎もあるちゅう事は、承知じゃわの?」

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