閃きの中で・・

秘めた才能

「受けてくれるんじゃの、わしも良かった。ほんなら、この仕事振り見て後は考えさせて貰おうわい。実はHZKは、新川家具と共に、オーダーメイドキッチンをこれから売り出すんよ。村本君がその気なら、わしも出来映え見て話するわ」

「はい！是非！よろしくお願いします」

　沢木がこんな話を持ち出す以上、仕事振り、その腕を既に見込んでいるからだろう。しかし、こんな仕事で悪いのう・・沢木はそう言った。他の外注先もあたって、ここに持って来たと言うのが、実際の事情だったのかも知れない。沢木は、全て計算して人と応対する人間では決して無いからだ。世の中には、銭で面を叩くと言う行為を良く眼にする。人を本当に動かすのは、誠意なのだ。

　その流しの発注をして、もう一つの話に入る。村本使翔の佐野系の話になった。

「2羽参加で、そこそこ結果出とる見たいじゃのう、大したもんじゃ。流石に、本流の血じゃ」

「何かね、沢木さん。飼育する者を楽しいにさせてくれる血統じゃ思いますわ。管理すりゃする程答えを出してくれる気がすんですわ」