秘めた才能
沢木が言うと、
「いや、弥生は、未優ちゃん見たいに優秀で無かったきん、地元の高校出て役場に入って、今も働きよんじゃきんどの、長谷川君が県の行政課の課長で今居るんよ、今。丁度教育委員会の教師採用の件も担当しとっての・・ああ言う人間じゃきん、色んなとこの不正を暴くんが生き甲斐見たいにしとるきん」
そこまで聞いた沢木・・
「成る程・・大体読めた・・弥生ちゃん、採用にあたって市議に頼んだんか?市長かい、兄やん」
「まあ、1次試験は、実力が要るきんど・・こなな事大きな声では言えんきんどの・・殆どは、そう言う枠使うて入るんよ、特に田舎はの・・又役場となりゃ身元のはっきりしとる家の者を採用するきん、そう言う事は、当然の如くコネちゅう話に行くんよ。保証人的な役割を担うんじゃ。そやきんど、一切金銭の授受はしとらん。昔から世話になっとる人での、ほんでお願いしたんじゃ、わしは」
「まあ、世の中正攻法ばっかりで無いわ。ほれは分かった・・きんど、純粋無垢の潔癖・・いや、ほななもんと違うのう・・趣味に近い感覚で、人の上げ足取ったり暴いたりするんは、困ったもんじゃのう・・」
沢木は腕組みした。




