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秘めた才能
「どなな特徴てかい?はは、触って分からんもんに、どなん言うて説明したらえんじゃ?」
沢木の声が聞こえる。周囲は笑い声に満ちている。それだけの存在感と、注目度があるからだ。又人を曳きつける魅力がある。
洋司がようやく、沢木の側に来た。
「おう、よおちゃん、相変わらず忙しいようで結構じゃの」
「じゅんさん、どこ出張されとったんですか」
「わし?ああ、北海道じゃ、もうジャンパー・長袖で無かったらいかんの、あっちは」
他の者と違って、洋司は鳩の話題をしない。少し会話をしていたメンバーが離れた。代りに秋山・長谷川が来た。先程の話の続きをしたいのだろう。少し腰掛けて話し出すと、メンバーが又寄って来た。沢木の会話は、それだけでも非常に参考になるからだ。
沢木が、質問に答える形で、
「ほうか・・倉田君とこは、200キロに26羽出して、当日8羽じゃったんか。2日目2羽、7日目1羽・・全部で12羽・・今日は2日目までの10羽持って来とんじゃの?」




