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秘めた才能

「あんの、ヤマチュー・・この仕事やるんに必要なんは、やる気も要るきんど、気持ちじゃ。何物にも染まらん純粋さが要るんよ。曇った眼では何も見えん。わしは、才能なんちゅうんは、あったに越した事は無いきんど、その曇ったもん持って無い人間は、絶対伸びる。そう信じとんよ。この菓子・・恵比寿と、ヤマチューが合作せな出来なんだと、わしは思うた。俊夫君も、眼が開くかも知れんの・・このタルトの有名所にあって、敢えてタルトとは、やるわ、そう感心した」

「は、はい!」


 ヤマチューが、大きな声で喜びを体全体で表わした。善さんもにこにこしている。ヤマチューは、全く3人とは違った個性を持って、沢木のスタッフの一員として成長するだろう、善さんは感じた。

 そして、土曜日となった。沢木が現われると、すぐ会員達が集まり、口々に鳩の状態を聞いて来る。

 クレーマー長谷川が、沢木の前に立つ。長谷川は、理路整然と話す沢木だけには、強い敬服の念があり、実は、沢木の次女未優を良く知る(好意を持つ)ので、ここ一番の時には必ず挨拶に来るのである。無論、そんな下心が見え見えの長谷川を、見抜けない沢木では無いが・・沢木が人と接する態度には変化は無い。

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