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秘めた才能
そう言って差し出したのは、俊夫が先に作っていた菓子に手を加えた新作であった。
「お・・見た目、ええげなの・・善さん、コーヒー容れらい。ヤマチューもの」
沢木が、コーヒーを容れて来る。このコーヒーも、洋司に伝授したと言うもので、喫茶店盛況振りの一因には、沢木の協力が大きい。絶妙の味は、沢木の舌がこれも秀抜である事を意味している。
ゆっくり沢木は、そのタルトを味わう。俊夫の新作菓子は、思考錯誤の中で、タルトに辿りついたのであった。
沢木が、
「ははあ・・ブルーベリー・・いや、山葡萄か・・これは面白い。ワインを使うたんでは無うて、若い身をそのまま使うたんじゃの・・うん」
善さんも、美味しいと言った。ヤマチューが嬉しそうな顔になる。沢木はすかさず、
「ほう・・ヤマチュー。あの恵比寿と波長が合うたか・・お前が初めてじゃの、はは」
「あ・・合うとか、合わんとかで無いです。とにかく先輩は、皆大きいですわ、社長」
沢木は、にこりとして




