秘めた才能
「競翔鳩は、可能性として時速140キロメートルで飛翔出来るとしますわね、実際それは可能だが、今度は持続時間がある。鳩が長時間飛び帰るには、その形態が一番大きいに作用する。そして、その理想に適ったのは、紫竜号のみ、そこから他鳩の村岡鉱山跡地訓練は否定される・・きんど、その話は、もう済んだ事じゃ。強いて言うなら、黒竜号は可能だったやも知れん。が、次には姿態から進めて、筋肉、羽毛、知能・・・又、最後に要求されるのは、内面の精神力、闘争本能、帰巣能力・・その全てを合致させたとしても、天変地変の条件がそこには加味される」
「ここまで、話を進めた貴方です。どこに論点を置きますか?沢木さん」
香月の表情が、少し厳しくなった。それは、数々の学会や、討論の中でも常にその涼やかな態度を崩さなかった香月の、心の中にある深淵に迫ったからだろう、沢木にも先ほどのような笑顔は無かった。
「つまり・・選ばれた奇跡の条件が揃わん限り、わしの夢は成し得んちゅう事ですわ。ほんで、その使翔をするんは、由香里ちゃんじゃと言う事ですきん」
「貴方は、あくまでこの期間、トレーナーに徹すると・・?」




