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秘めた才能
「夢・・・届くよう、私もそう体は空きません。しかし、沢木さんは、ご自分でコントロール出来るお立場です。もう一度言わせて下さい。既に貴方は、我々と同じスタッフなのですよ。そのスタッフの一員として、体は資本なのですから」
沢木は、深々と頭を下げた。
「分かりました。痛いほど、香月博士のお心遣い・・感謝致します。では、もう少しええですか?」
「良かった・・沢木さんが、何時ものように戻ってくれて・・」
香月は、少年のような顔でそう言った。それは、全ての立場を超えて、香月と沢木は、既に同じ位置に居る事を示唆しているからであった。
少しためらった様子ではあったが、沢木が聞く。
「何故、固執されたんかいね?村岡鉱山跡地を・」
一瞬香月の顔が、凍った。




