秘めた才能
「何で・・?」
「人間は、味覚を感じる前に、まず視感に左右されるんです。先代の菓子は、もう近隣の主婦の方は御馴染みじゃし、何が美味しい?と聞いたら、今まで慣れ親しんで来た2つのお菓子をまず挙げますわ。それなら、目隠しなんか必要も無い。まず、主観を取り祓う為です。又、日頃職人さんは、茶菓子も貰って食べるきん、舌も結構肥えてますよ。そやきん、この方法で先代の菓子2種と、2代目の菓子2つで味比べして貰うつもりです。俊夫さん、半分でも俊夫さんの新作に手が挙がったらそのまま。そやきんど、半分以下じゃったら、今回開店には、見合わせて貰えますね?私も、総合インテリアデザイナーとして、一端この仕事を請け負ったからには、新「トシ・ 畑田」が、これから成功して貰いたいと思うてますから。俊夫さんも、意気込みだけでこの世界を生きて行けるとは思うて無いでしょ?」
「よし・・分かった。ほな、やりましょう」
恵比寿が集まった全員に主旨を説明し、納得して貰った上で、この試食会は開始された。
結果は・・圧倒的に初代の2つの菓子だった。がっくりと肩を落とす俊夫。
恵比寿は、しかしこう言う。




