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秘めた才能
彼女はこの数年で明らかに変わっていた。それは、世の中には上が居ると言う事。恵比寿は、木村の感性は、とても自分の比では無い才能だと気付いたのだ。
沢木は、こうして恵比寿を受け入れた。その時の言葉、
「惜しいのう・・女性として生きたら、男も放っておかんじゃろに、捨てるか?恵比寿、女を」
「はい・・これで生きます」
「よっしゃ・・」
そんな言葉だったと言う。激しく交錯する感性。
ヤマチューの表現は、少し何かが足りないと言う・・その言葉には共通項があったのだろう。
「社長な・・同じ事言うたわ・・先代の二つの菓子は絶やしたらいかん、きんど、俊夫君の菓子には華が無い言うんよ。山下・・あんた、協力し」
「あ、はい!」




