秘めた才能
「ああ・・これは駄目です。恵比寿さん、貴女は、全て自分本意の世界で風景を眺めてますね。この絵は貴女の内面であって、何時もぶれる心と共に、絵が変化します。それでは、人を感動させたり、温かい気持ちにする事は出来ません」
あっ・・ 恵比寿は思った。沢木が言った、明日は8本足の犬を描くんか?2枚目はどなな絵じゃ?と・・つまり、例えば絵なら描き終わるまでの感性で良いが、建物やリフォームは、創作から完成まで同じテーマを描く物だと言う事。恵比寿が仕事をやれば、ファッションショー等成り立たない。そこにテーマが無いからだ。物を眺める眼はそれを追求した、自分なりの解釈である。解釈が幾つあっても良いのは、自分が、自分の空間で、自由に描く絵の世界だけ・・
恵比寿は、木村に請い、HZK木村建設リフォーム部に入社する事となり、そして数年。2年前に沢木と再会し、
「ちっとは、頭が柔らこうなったかいの?恵比寿君」
「知ってらしたんですね?HZKの木村部長の所に入社しとったの・・」
「はは、わしもHZKグループの一員じゃきんの。まあ、これも縁・・縁・・」
恵比寿は、沢木に深々と頭を下げ、
「私、沢木さんと一緒に仕事したいです・・お願いします」




