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秘めた才能

 沢木はいきなりそんな事を言う。少しこの中年、変な人・・そう思いながらも渡されたスケッチとペンで、六本足の犬を描いたと言う。沢木は笑った。


「はは・・面白い・・あんた、恵比寿さん言うんじゃの?」

「え?」


 未だ名前なんて名乗って居ない筈・・沢木を見て、少したじろいだ。やっぱりこの中年おかしいわ・と。

 沢木は全く意に返さず、


「明日になったら、今度は8本足の犬描くんか?それとも2枚目の犬はどなな絵じゃ?」

「分かりません・・ただ、描きたい事を自由に描くだけ」


 沢木は、大きな声で笑った。

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