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雑記帳  作者: curuss


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貨幣で小話

「金貨1枚が10万円ぐらいでぇ、銀貨100枚へ両替できるんですぅ」

 なるほど。ということは金貨100枚持っているから……日本円にして1000万円ぐらい!?


 なんて作品を拝見する度、判らないなら判らないなりに調べるとか、面倒なら通貨単位へ逃げるとかすればいいのにと思います。

 というか、上記の例だと説明役が日本円を知っているし!(苦笑)

〇金貨=100銀貨でも問題ない


 金銀の価値は希少度と精製技術に拠って決まります。


 そして希少度ですが近世までは全世界的に金1につき銀6前後な価値となったので、地球の埋蔵量は1:6ぐらいと思われます。

 あくまでも『地球では』です!

 その異世界では希少度が1:100とすれば、現実の1:6に準拠しなくても問題ありません。


 でも、金の100倍も銀がある世界だと、銅程度のありがたみになる気も? 金と銅の値段比率も、ちょうど1:100ぐらいでしたから。

 ようするに誰も彼もが銀食器や鍋、釜な世界なんだけど……うーん?


 ね? 調べた方が簡単でしょ?



〇おそらく小判と間違えている


 なぜか金貨1枚10万円が根強いのですが、おそらく小判の影響でしょう。

 小判は江戸時代突入時に、現代の価値で10万円程度でした。

 それを参考にすると金貨1枚10万円でも悪くないようでいて――


 小判って世界標準だと滅茶苦茶に大きい金貨ですから!


 重さにして約37.5gですから、通常サイズの金貨で7~8枚分に!


※ 100円玉ぐらいな大きさの金貨≒5g 500円玉で約7g


 小判相当が10万円であれば、金貨相当は1万3000円強です。

 ちなみに日本などは高額取引用に大判というのを使ってまして、ずばり小判10枚分の重さとなります。

 ここでポイントなのが、ようするに小判の束なので――


 10進法以外の変な方法は採用されない


 ことでしょうか。

 大金貨を設定して、それが日本円にして10万円とかなら理解できますが……金貨だと不思議な世界に思えます。

(ようするに『金、銀、銅』ではなくて、『金、不思議な何か、銀、銅』な世界観に。もしかして金が凄く高いのは伏線?)


 また小判より小さい金貨として一分金というのもありました。

 きっちり小判の1/4の価値で、日用品だったそうです。これは――



〇クオーターやハーフの理由


 1/4金貨とか1/2金貨が存在したりしますが、あれは非常に現実的な理由からです。

 金貨は重さで価値を測る――専門的には秤量貨幣と呼ばれるもので、現物を二等分したり、四等分したりしても価値を減らしません!

 つまり自然発生的に生まれるものだったりします。

 そして場合によっては、権力者が相当する貨幣を鋳造もある訳です。



〇金:銀≒1:6から1:10への変化


 これは技術革新で、銀の精製レベルが上がったからです。

 江戸時代末期に両替でカモられたので有名ですが、当時に日本が知る技術だと1:6が適正でした。

 しかし、西欧は1:10となった後なので、両替すると儲かったわけです。


イメージ例)


 西洋金貨1 → 西洋銀貨10


  ――日本へ移動――


 西洋銀貨10 → 日本銀貨10


 日本銀貨10 → 日本金貨1枚と2/3


  ――日本から脱出――


 日本金貨1枚と2/3 → 西洋銀貨16


 西洋銀貨16 → 西洋金貨1 西洋銀貨6(儲け)


(細かくは幕府と商人の連携が取れてなかったとか、色々と別の理由もある模様)


 しかし、この希少度の変化も貨幣設定には大した問題はなく――



〇希少度と無関係に一〇進法へ直せる


 希少度が1:10であればそのままですし、仮に1:6でも便利な一〇進法へ鋳造できます。

 ようするに1:6であれば金7g≒銀42gなので


 金貨一枚7g、銀貨一枚4.2g。金貨1=銀貨10枚


 とできます。

 これは12進法だろが16進法だろうが、好きなだけ調整できるので――


 むしろ創作作品としては、複雑なご当地通貨は無視した方が良いぐらいでしょう!


 史実で20進法や16進法も併用されてましたけど、そんなめんどくさいこと説明されて楽しい?

 少なくとも作者はノーセンキューです。



〇貴族用金貨の設定もいいけれど……


 止めに金貨一枚を『1なろう』とでも通貨単位へ設定すればいいんです!

 というか史実では、そうですから!

 フランスは賠償金として10万ルーブル……なんてのは金貨ではなく、もう金のインゴットでの支払いです。

 一万ルーブル金貨とかを鋳造する訳ではありません。


※ 一定以上の金額は金の延べ棒で取引となり、もはや貨幣は関係ない



〇ようするに捻らない方がリアル


 つまり――


 金貨1枚=銀貨10枚=銅貨100枚


 でOKなんです。

 細かな価値差は、貨幣一枚の重さを変えることで調整可能ですから。

 で、最初に軽く説明した後は、金貨一枚は『1なろう』であり、日雇い労働で『1なろう』ぐらいは稼げるとすれば完璧!

 1金貨は一万円、1銀貨は千円、1銅貨は百円。

 この捻らない形が、実は一番の落としどころなんです!

 そして高額取引は、金貨〇〇枚分に相当なインゴットを使えば十分でしょう!

 逆に最少額貨幣は銅貨を四等分するとかでしょうし。……25単位コインのルーツ?

 1/8ぐらいまでは平気で実例見かけましたし。


☆ 総論


 避けようね、金貨1枚10万円!

 そして絶対に100万円とか駄目だ!

投稿日2019年 11月13日 21時12分


総合評価 10pt

評価者数:1人

ブックマーク登録:1件

文章評価

平均:4pt 合計:4pt


ストーリー評価

平均:4pt 合計:4pt

・いただいた御感想

良い点

ファンタジー世界における金銀銅の貨幣の扱い方、とても参考になりました!


ありがとうございます。

投稿者: すー

---- ----

2019年 11月13日 21時38分

 他所様の批判はよくないんですけどね。僭越ですし。

 また、あくまでも一案でお願いします!


 ご感想、ありがとうございました!

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― 新着の感想 ―
[気になる点] >詳しくやる気がないなら変に拘らないで、さらっとお茶に流しましょう、 いえ、ここは伝わったのですが、気になったのは金貨一枚10万円設定は別におかしくないやろという点と、 本文の >史実…
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