テレビの未来――もしかしたらアマゾンがメディアも征服する?
アマゾン・プライム・ビデオが色々と品揃え良く&便利になってきました。
似たような意見を掲示板界隈でも目にするので、同様な意見の方も少なくない模様。
どの配信サイトを使うかの選択は、意外と悩ましいんですよね(苦笑)
定期的に各社の現状をチェックせざるを得ません。
でも、この調子だと予想外にアマゾン・プライム・ビデオが覇権を獲る!?
そして色々と調べていたら、わりと重大事に思えたので考えをまとめておくことに。
……今回は、マジであり得るかもな未来予想!
◎きっかけは、ひろゆき氏のアメバTV失敗予想から。
作者もアメバTVを視聴することもあるのですが、なんだか方向性がいまいちに思えます。
その形態を例えるのであれば――
インターネット回線を使用した衛星放送
でしょうか?
一昔前に囁かれた多チャンネル時代というのを実現したのかもしれません。
ひろゆき氏によればコスト面で折り合わないので、成立しないとのこと。
ちなみに彼のことは人間的に大っ嫌いなのですが、その分析能力には一目置いています。
変な見栄を張らず、賢い人として警戒するべきでしょう。
……なぜなら『愉快犯』や『世捨て人』、『シリアルキラー』などに共通する知見を感じるからです。
ここで簡潔に、その論拠を解説しておきます。
テレビやラジオなどは高い塔か何かを建築し、そこから電波を発信すれば相手へ情報を伝えられます。
そして一都六県だけで考えても、その人口は4000万人!
平均視聴率は5~10%の間だそうですから、低い方で計算しても200万人!
これをインターネットで実現しようとしたら、常時200万接続に相当!
というか一人のユーザーは、標準的な利用で4~5接続をサーバーへ要求するそうなので……その5倍として1000万接続!
こんなのにサーバーが耐えきれるわけない。
耐えるとしても、どれだけの機材と資金が必要となることか。
テレビは対費用効果で優れているという点を理解するべき。
――と、これがおおまかな論旨となります。
いわれてみればその通りで、インターネットでテレビ局をやるのは間違い。
動画配信サイトとテレビのハイブリットを目指すとしても、再検討するべきです。
◎まず『本当にインターネットでテレビ放送は不可能なのか?』を考える
ここでテレビとは何か?
という観点から考え直しました。
テレビ放送というのは――
一秒間に30回画面を切り替えている
→ つまり、1920×1080×30回
→ 約200万画素で30fps
と考えられるでしょう。
もう一歩進むと「この画像データーをリアルタイムかつ通信回線でやり取りできるか?」になります。
結論からいうと可能です。
インターネットを利用するテレビ電話――スカイプの高画質基準が、200万画素で30fpsだから。
しかし、高速インターネット回線が大前提!
作者の試算では、一つの番組に1.1Gbpsでした。
スカイプでも推奨1.5Gbpsなので、それほど間違ってはいないでしょう。
※
1920×1080×24バイト×30で149299200バイト/s
(現行のテレビは1ドットに24バイトの色情報が必要。1バイト=8ビット)
1Gを1073741824として約0.14Gb/s
これは単位を直すと1.1Gbps
(bps=ビットパーセコンド。秒あたりのビット数)
つまり、G契約――下り最速レベルの環境が必要。
もちろんPCも対応可能な――少なくともミドルクラス以上が必須?
結論 技術だけなら確立されている
◎しかし、ひろゆき氏の指摘通りで、インフラとしての成立は絶望的
いまですらインターネット回線は混みこみなのに、ここまでのデータを垂れ流ししたら確実にパンクします。
そして個人間レベルならともかく、インフラとして使用するなんて以ての外!
全ての空輸を戦闘機で賄うような愚かさがあるでしょう。
よってアメバTVは失敗の結末しかあり得ない。
なぜなら技術革新で全てが解決されるとしても、むこう10年は必要だろうから。それまで資金力が続く訳もない。
また技術解決されるのと、それが市場価値を持つかどうかは別の話。
◎そしてアングラサイトでしかテレビ配信していない理由にも
受け取る場合は一般環境でも対応済みが多いですけど……発信側となるには、サーバー契約するしかないような?
(ざっくりいうと発信できるのは、受けとれる量の十分の一程度。さらに月あたりの総量も規制されている)
こうなると犯罪覚悟ですら成立しません。
ほぼ採算が取れなくなるからです。……収益が上がれば上がり始めたで、即座に潰されてしまうでしょうし。
また危ないサイトを経由するぐらいなら、一万円程度のチューナーをPCへ付けた方がマシです。
どころか似たような金額でTVそのものが買えることも!(苦笑)
あれらは海外在住の日本人が、外国でも日本の番組を観るのに利用する程度かな?
※
テレビの使用している周波数帯を観測・発表しているだけ。
誰かが復元して視聴してても、我々の感知するところではない。
みたいな逃げ道はあり得る?
◎ならばテレビは安泰なのか?
インターネットに、とって代わられないのは確定なようです。
なら、いつまでも王様でいられる?
そうは思えません。
残念ながら、すでに王座から転げ落ちてすらいるでしょう。
もう作者などはテレビを処分してしまいましたし、地上波番組が観たくなったらPCのワンセグチューナーを起動させるだけです。
朝起きてから夜寝るまで、いちども地上波を観ないことすら普通になりました。
インターネットや動画配信系サイトで満足してしまうからです。
これは作者が変わり者だからではなく、おそらく標準的な流れだと思われます。
また、止めることも叶わないでしょう。
◎しかし、テレビが完全に廃れるとも思えない
まず、ひろゆき氏の指摘にある通りで『インフラとして安い』があります。
さらに都内のインターネット全部を合わせても、テレビ周波数での方が圧倒的に多くの情報量を届けられる!
なんせ1.1Gbps×7局×200万ですから!
また意外なことに、テレビ特有の長所がインターネットにはありません。
それは――
情報の選択肢が異常に少ないこと!
東京などは全国ネットが6(NHK×2、日テレ、TBS、朝日、フジ)に地方局1(テレビ東京)だけです。
これインターネットで考えたら酷い話です!
ネットへつながっているのに、7つのサイトへしかいけない!ww
この7つのサイトで同じことを言い始めたら、誰だろうと認知できるでしょう。
あまりテレビを観ない作者ですら、モリカケ問題は聞いたことあるぐらいですし!
……知ってますよ?
あれですよね?
なんだか分からないけどモリカケで安倍首相は悪いことしたんです!
何処が違法なのか、何が起きたのか、登場人物は誰が誰やら区別すらつきませんけど――
安倍首相は悪いことしたらしいです! それだけは、はっきりと伝わりました!
また盛大にアホを晒しとるなぁと思われるでしょう。
でも、そうお叱りを頂いても仕方がありません。
よく判らなかったからインターネットで調べたけど、なぜ現政権が叩かれているのか理解できなかったんだもの。
結局、どこが違法で誰が悪かった? そして事件における安倍首相の配役は?
このように必要最低限度の――日本国民が等しく共有すべき情報を確実に伝えられます。
……なんというか愚民教育に最適なので、誰かしら利用し続けるでしょう。
また安さからラジオのように、気軽なインフラとして活用も?
ただ、もはや王として君臨することだけはないと思われます。
新聞同様、ゆるやかに廃れていくでしょう。
(作者的には新聞の方が絶滅の危機にあると思います。なぜならニュースサイトで完全代替可能だから)
◎なら次の王はユーチューバー?
これも違うと思われます。
なぜならユーチューバーでは――
作品を作れない
から。
バラエティ番組の代替は可能でしょう。
すでに下手な地上波より面白い人もいる……らしいですし(すいません、語れるほどユーチューバー観てないです)
でも、アニメを作るユーチューバーは聞いたことがありません。ドラマもです。映画だって難しいでしょう。
しかし、テレビ局はそれら全てを担っていたのです。
次世代の王となるのに、どれもこれも作れないというのは厳しいでしょう。
ちなみに個人レベルでの動画作品作成は絶望的です。
紙芝居レベルな10分ぐらいの動画を作るのですら、個人だと半月は掛かります。
となると12話1クールだと半年!
……さらに厄介なことに、制作が上手くなればなるほど指数関数的に作業量の膨大化も!
つまり、アニメやドラマ、映画はユーチューバーレベルだと無理です。
なぜなら生活が成り立たないから!
そしてバラエティ番組を代替するとしても、ちょっと手が込むだけで既存作品の模倣すら不可能となります。
作者には、ユーチューバーを志す芸人さんなど勘違いしているとしか思えません。
ユーチューバーというのは、あくまでもバラエティの一ジャンルでしょう。
テレビ芸人というバラエティの総合専門家なのに、それが上手くいかなかったからって、さらに細分化された世界へ閉じこもるとか……作戦を間違えてない?
また、そんな発想力では、専門的にユーチューバーやっている人たちに勝てる訳がありません。
◎やっとこタイトル回収を開始
そんなこんなで次の王と思えたのが、アマゾン・プライム・ビデオです。
最近はダウンタウンの二人や今田耕司と東野幸治などがバラエティ番組を制作、独占配信してますが――
正直、その出来は微妙!(苦笑)
いまいち手探り感が強すぎて、評価していない人も多いようです。
でも、これって吉本が割と力を入れてる!?
……知っている人は知っていると思いますが、吉本の戦略担当は『強い』です。
それが積極的に!?
これは検討に値するのでは?
ちなみに次の王がアマゾン・プライム・ビデオであれば、いま動きだしていないテレビ業界の人はアウトでしょう。
◎やや話は横で感慨深かったアニメ作品
Netflixという動画配信サイトで『Devilman Crybaby』という全10話のオリジナル作品が作られました。
もう少し細かくいうと、ちょっと前に話題となった『デビルマン』のリメイクです。
ちなみに文庫版『デビルマン』準拠!
現代風にアレンジしてたり、エピソードの増減はありますが、正当な系譜といえるでしょう。
少なくとも――
「あー 俺、デーモンになっちゃたよー(棒読み)」
とか言い出さないから安心!
個人的には、ラストシーンの解釈が違うので全然納得いってませんが(苦笑)
それでも一見の価値はあると思います。
※
『知恵の悲しみ、無知の涙』的な引っ掛かりです。
ストーリーそのものは弄られていません。安心してください。
最後に彼は『足掻いても結局は予想通りに避けれなかった悲劇を、静かに悲しんだ』のか『全く予期しなかった結末に嗚咽を漏らした』のか。
その解釈は人それぞれと思います。
ここで問題としたいのは、一定のクオリティで準1クール分のアニメ作品を、動画配信サイトが作ったということ!
これは革新的な出来事です!
なぜなら――
円盤が売れなかろうと、予算を確保できる時代の到来だから!
◎だが、テレビ局の商売規模と勝負になるのか?
さらに話を横へ。
なんとNHK受信料は徴収率70%を超えています。
そして一年分は約14000円です(支払方法で微妙に変わる)
さらに日本の総世帯数は約5000万なので、14000×5000×0.7で――
約5000億円がNHKの年間予算となります!
全てを外注している訳じゃありませんし、それまでに購入した設備等もあるでしょうし、色々な著作権収入もあるでしょうが――
5000億を用意すれば、NHKが放送する一年分のプログラムを作れるのです!
さらに民放は、もっと予算が絞られていて!
色々な算出値がありますけれど、ざっくり3000億だとか!
しかし、民放レベルでも直接視聴料によって賄おうとすると――
年間3万円で1000万人の契約者が必要に!?
10人に一人が払ってくれない……と?
あれ!? 意外といけるんじゃね!?
さすがに年間3万円で契約者1000万人は無理でしょうけど、もう少し基準を下げれば!?
◎ここでアマゾンTVというのを想定!
アマゾンTVは以下の未公開新作プログラムを毎日配信します。
・一時間のバラエティ番組(曜日ごとに違う内容&出演者)
・一時間のドラマ(1クール12話。7作品を同時。曜日をずらして毎週更新)
・30分のアニメ(同上)
アニメやドラマは、年に30作品となる計算でしょうか?
まず、これらのお値段をざっくりと。
標準的な一時間のバラエティ番組を制作するのに3000万円程度だそうです。
そしてドラマも似たような感じで一話につき3000万円。
アニメは通年ものなら一話1000万円。1クールものなら2000万円程度だそうですが……色々と薄給が問題視されているのを考慮し3000万円?
つまり一日あたり9000万円です。
それが365日ですから――
ざっくり330億!
これを会員費で賄うと――
500万人だと年間6600円! 月あたりに直すと550円!
さらに1000万人だと半額!
「いや、500万人って多くね?」などと思われるかもしれませんが、すでにアマゾンプライム会員は推定で300~600万人とのこと。
というか、いまや廃れたニコ動ですら、いまだに有料会員が200万人います!
……ニコ動って超会議とかしてないで、毎日アニメの新作を独占配信すりゃいいのかも。
365日×0.3=約110億
200万の会員で均等割りしても、一人当たり5500円、月々なら458円
これ本気でいけるのでは? ニコ動なしの単独でも成立しそうな勢い。
◎テレビとは違うのだよ、テレビとは!
もちろんインターネット配信なので――
・一時停止ができます
・基本的にCMがありません
・大人の事情も最小限とできます
・好きな時に視聴できて、見逃すという概念がありません
・未来永劫、自社ライブラリーとして稼ぎ続けてくれます
最後は判りづらいかもしれませんが、この戦略を10年も続けると――
ドラマ300作品が無料! アニメも300作品! 当然にアマゾンTV独占配信!
それが月々たったの500円! 年払いなら5000円!
もちろん毎日新作も配信! 話題のバラエティを見逃すな!
などとなります。
継続されればされるほど客にとっては得となり、運営側は会員が増えれば増えるほど儲かり始める。
……というかアマゾンTVだった場合、赤字にならなければどころか、30億程度の赤字で収まればOKだったりします。
※
広告塔としての球団経営が赤字20~30億程度なのを参考。
特にアマゾンは会員を集めることが肝のビジネスモデルなので、この程度は必要経費でしかない。
そして一般人がテレビへ求める娯楽を満たせてしまいます。
ニース番組?
なぜインターネット環境下で、儲けの見込めなさそうなニュース番組を配信しなければ?
もうニュース配信サイトは充実していますし、ニュース番組をリピート系のサイトだってあります。
ワイドショー?
それこそ噴飯ものです。
暇潰しならいくらでも探せる環境下で、どうして情報を水で薄めたような番組を?
それらはインターネット配信にそぐいませんし、不要ですらあります。
アメバTVの失敗から、インターネットでテレビをやっても面白くないと判明済みですし。
ならばインターネットでテレビをやるのではなく、テレビの美味しくて取り込めるところだけを吸収すれば!
◎以上を踏まえて?
吉本の戦略担当が『強い』といった理由が判って貰えたでしょうか?
(もちろんアマゾン側がクールで、もっとも商品価値のある吉本を口説き落としたケースもあり得る)
しかし、アニメやドラマに関しては、既存作品を買う方が安上がりな可能性もあります。
もはや動画配信サイトからの収入が、予算に見積もられている気がしなくも?
そして配信サイト側も自分達で作るよりは、完成品を買った方が安上りだったり?
となると供給され難いバラエティを制作で終わる可能性も?
よって6:4でアマゾンTVが成立をFAに。
そうじゃない場合の予想は――
既存テレビ業界が、動画配信各社の下請けとなる
未来を予想します。
現状、そうなりつつあるみたいですし。
リアルタイムな視聴者の減少と共に動画の生産工場化し、徐々に徐々に斜陽化して?
ある意味でソフトランディングとも見做せます。
ただ消費者の立場だと、アマゾンTV成立の方が面白そうです。
新しき王として君臨し、いままで見たことのないような『何か』を配信してくれるかも?
どころか動画配信サイトTVが群雄割拠し、覇を競い合う!?
そして生み出される作品群は、原始的なまでに活力で満ちてる可能性すら!
新たな王の誕生は、黄金時代の到来を意味します!
そして眼前に先人未踏のフロンティアが広がって!
――未来もまた広大です。
投稿日2018年 11月27日 12時08分
総合評価 34pt
評価者数:4人
ブックマーク登録:1件




