そこにある金脈
何でもありで、貪欲に勝ちを狙いに行こう企画。
門外漢がBLを扱うので、気分を害される恐れあり。
去年のことだったかな?
『ユーリ!!! on ICE』というアニメが流行りました。
……そうなんだ、すまない。今回のテーマは、いわゆる『腐向け』ってやつだ。
まあ、『腐向け』としても、登場人物は全員がノンケ……少なくともカミングアウト済みなホモはいませんし、男が好きな男と断定できる登場人物もいません。
だから、ゆるーく腐ったお姉さん達の妄想が捗るだけ……かな?
似た系統で『おそ松さん』もありますが、あれは分類すれば『一般』。その道の貴腐人達に愛されているだけです。
つまり、『ユーリ!!! on ICE』は、R15未満で『おそ松さん』以上な『腐向け』といえるかな?
ようするに作者のような男でも顔を赤くしないで済む作品です。
(R15からは、ポルノやぞ! 男は入っちゃなんねぇ!)
で、最後まで拝見した結果、とある感想を得ました。
「これの基本プロット……少女漫画じゃない? それも古典に属する?」
実際に少女漫画ぽく――といっても作者が信じる程度の――簡易プロットを書いたのがこちら。
『GPを目指せ!』(仮題)
私、百合子! 女子暗黒舞踏をやってるの!
こう見えても世界選手権に出てたり、けっこう有名な選手なんだよ!
……というのは去年までの私。
今シーズンは失敗ばっかで散々だった!
もともとドジなところはあるんだけど、発表会の最中に転んじゃうとか! 最低! ちょー恥ずかしい!
それに新しい世代の台頭も著しいし……。
私なんてもう二十三歳! さすがにプロ選手を続けていくのは厳しいよー! もうギリギリ!
正直なところ引退も考えちゃったり……。
でも、そんな風に地元で悩んでたら、突然――
イケメンの現役男子暗黒舞踊の世界チャンピオンが、私のコーチをするって!
世界チャンピオンを追いかけて、超絶美少女な女子暗黒舞踏のジュニアチャンピオンも来日!
どうしてこうなったのか全く分からないし、美少女には敵視されちゃうし……俄かに私の周囲は騒がしく!?
……面白いかどうかは別にして、少女漫画の文法は守れていると思います。
でも、『ユーリ!!! on ICE』を知らない方は、「これのどこが『腐向け』なんだ?」と仰るかもしれません。
いや、この三人しかいない登場人物、全員が男なんですよ、『ユーリ!!! on ICE』になると!
「……え? じゃあ、単なる一般スポ根ものでは?」
と反論もありそうだけど――
そうじゃないから『腐向け』なんです!
……ちなみに登場人物は、作中で一度も男同士の愛を囁きませんし、BLセクロスなんて以ての外!
「ちょっとスキンシップが過剰かなぁ?」程度で終始しています。
(だからこそ男でも視聴できて、R15未満といえる?)
これで腐の方々が満足されるか謎ですけれど、そこは――
『マリア様がみてる』でも百合好きが満足するようなもんでしょう!
というか、あの作品で登場人物たちがレズセクロス始めたら、逆にドン引きです。
そういうのは薄い本でだけ、もしくは想像の中でだけ楽しむもの?
しかし、この作者の見立てが正しいとすると――
腐の方々という基本購買層をガッチりと捕まえつつ、それまでは無かった一般女性や男性からの収入も期待でき、商売的に厳しくなるR指定も回避可能となります(ビジネスとして門戸を広く構えるのは基本でしょう)
またメインターゲットである女性に強く訴えかけれます。なぜなら――
すでに確立している少女漫画のメソッドを、そのまま流用できるから。
どころか少女漫画の名作として愛された筋立てを、BL版として再構成すらできます。
おそろしく簡単にいうのであれば――
「腐向けにリメイクした『NANA―ナナ―』や『のだめカンタービレ』をやれば勝てるのでは?」
ということです。
……実際、『おそ松さん』の第一話でやってたアレなどは、腐向けにリメイクした『花より男子』のパロディみたいですし?
なるほど――
乗るしかねぇな、このビックウェーブに!
と思いきや、作者は『NANA―ナナ―』すら未読。
なんというか苦手なんですよね、少女漫画でも極端に恋愛が主題の作品は。
それでも一応、『のだめカンタービレ』をBLリメイクするなら――
舞台は音楽系の高校か大学。
天然で電波気味だけど才能の片鱗がある男の子と、エリートで将来有望な先輩(もちろんイケメンの男)が出会う。
なんと部屋がお隣さんという偶然に助けられつつ、二人はお互いの価値観の違いで喧嘩したり、刺激されたりの日々を送る。
途中、天然な男の子は先輩に触発された結果、海外留学へいってしまったり?
……なんだろう。この漠然とした不安感は?
ありきたり過ぎて成功しそうにないし、もう既に誰かやってそう。
でも、ストライクゾーンなのは間違いありません。
確立したメソッドの利用では、これが大事でしょう! 失敗作になることはあっても、ボール球に外れることだけはありません。
となると名作少女漫画を片っ端からBLカスタマイズしていけば、いつかは当たる?
でも作者は、疎いんだってばYo! 少女漫画に!
さらなる問題点として――
腐ではないので、人体に八〇一あるというBLの経絡秘孔も解らない!
こればっかりは外して「ん!? まちがったかなぁ……」とか首を捻っても許されないでしょう。腐の方々が烈火の如く怒ると思います。
それは我々男で例えると――
「またガンダム? ガンダムばっかりでよく飽きないわね!」
とオカンに口を挟まれるようなもの。
「ちがうよ、これはガンダムじゃなくてスコープドック! モビルスーツですらなくてアーマードトルーパーだよ!」
と心の中で言い返したことは、誰にでもあるのではないでしょうか?
やはり誰かが大事に思っているジャンルを、門外漢が土足で踏み荒らしてはいけません。
でも、この理屈は成功すると思うんだよなぁ……。
目の前に金脈があるのに! 作者に掘る力さえあれば!(チラチラ)
嗚呼、掘る力さえ!(チラチラ)
……チラチラと見つつ、今回はこれでおしまい!




