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短編

世界

作者: RK

 僕は世界だ。

 僕の感情は世界とリンクし、僕の感情が世界の動きを決める。

 僕は世界の中心だった。

 僕が喜べば、世界は喜ぶ。

 僕が悲しめば、世界は僕を慰める。

 僕が世界で、世界が僕だ。

 でも、僕と世界にずれが生じる。

 僕に輪郭が生れ、世界と隔たりが生れる。

 僕は僕で、世界は僕じゃない。

 僕と世界は別の存在となった。

 世界には僕のほかに、怖い魔女と、優しい女神がいた。

 怖い魔女はとても恐ろしく、僕を罵り、時には叩いた。

 優しい女神はとても優しく、僕を包み込み、抱擁した。

 僕の世界はこの大抵、この二人のどちらかが存在していた。

 魔女に怯え、女神に縋る。

 暫くして、この二人が同一人物だと知った時は衝撃的だった。

 そう、僕が世界だと思っていたものは、人間だったのだ。

 魔女も、女神も、人が見せる多面性。

 誰しもが持つ、人間の一側面。

 世界とのずれは、他者とのずれ。

 それは自分という存在を、人の多面性を理解する通過点。

 僕は、僕で、あの人は、僕の母で。

 僕は初めて人間になった。

 こんにちは、世界。

 僕は井の中の蛙だった。

 初めまして、世界。

 これから宜しく。

 僕は人間として生きて行く。

 これから先、ずっと。

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