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私とヴァイオンと彼

作者: 630かに

細い指先が、そっと弦に弓をあて、ふわりと撫でる。


そうすると、あたりには張りのある繊細な音が響き。音の波は空気を取り込み、流れて行った。


その天才的な技術と柔軟性が織り成す。サウンドは、時に優しく、時に激しく胸に迫る。


甘美な音の波は脳を痺れさせ、挑戦的なプレイスタイルと麗しい容姿が視覚を支配した。思考なんて物は止まり、ただ目の前の演奏に溺れた。


見事という言葉しか出てこない。

あの痺れも、興奮も、言葉では表せ無いのだから。


空気の振動が愛おしいと感じたあの瞬間、鳥肌が立ち。心拍数が上がった高揚感の中、喋ると云う行為すら尊い物なのかもしれないと思った。


そうして、音楽に詳しく無い。いっそ無知といっても問題無く、芸術にも興味が無かった私が、心身を奮わせる音をくれた彼に惚れていくのはまた別の話。

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