巻ノ九 マリーベルは最恐!!
「ていうか、これ!放置!?」
右手を差し出すと、メンドウそうにマリーベルが指を鳴らした。
いきなり、どこからか現れたのは……。
「こ、こいつは……」
「リンカーンエルモよ」
「リ、リンカーン」
そいつは、顔だけ確かにリンカーンで首から下は赤い毛に覆われていた。
「元アメリカ大統領。ケンタッキー州の貧しい農民の出身よ。ずっと南部から出てた大統領だけど、彼は北部出身だったから当時は南部の11州が『アメリア連合国』を立て分離を図ったわ」
まるっきりリンカーンじゃないか!!なんだよ、いったい。
「Government of the people,by tha people,for the people」
「は?なんだって?」
「『人民の人民による人民のための政治』ゲティスバーグの激戦の戦没者追悼式典でリンカーンが行った演説の一部ね。けどこれはリンカーンが考えたんじゃなくて、説教師パーカーの著書から引用したらしいわね」
「NO!NO!It is not mimicry,It is a fellow that mimicked!」
「何だって?私英語は1なんだよ!」
「マネじゃない。マネしたのは奴だって言ってる」
佳奈はマリーベルを尊敬の眼差しでみつめた。
ふいにリンカーンエルモが佳奈の手を見た。
「oh to poor!!」
「おお、可哀そうに。だそうよ」
「何が?」
「the hand!」
「その手」
「何?直せるの?」
「It leaves it to me」
「私に任せなさい」
「おお」
いきなりリンカーンが右手をくるりと回して、天へ掲げた。
「Majikaruchenji!!」
その手の中に、ハート型の飾りのついたロットが現れる。さらに、ピンクと白のフリフリの服が現れキャピキャピと体をくねらせる。
完全に引いている佳奈の右手を、ポンと叩いた。
「おお!治った!」
「Happiness to you」
「あなたに幸福をって」
マリーベルは、うっとうしそうにマシンガンを構えた。
ドガ―――――ン!!
リンカーンエルモは星になった。
っていうか、さっきからヘンなエルモ多くない?
佳奈は首を傾げた。
「しょうがないじゃない。ここはエルモ族の村だもん。それとも黒エルモの方がいい?」
いえ…遠慮しておきます。
と、その時、目の前に何かが立ちふさがった。
「ん~?」
佳奈はその目の前のものをポコスカ叩く。
上を見上げると、顔があった。人間の顔だ。っていうかこの顔どこかで見たような…?
すると、その人間はいきなり叫んだ。
『そこしりば●どうりリサ~チ♪』
「あ―――――――!!」
私は思わず叫んだ。この人、ば●どうえいじさん…。
そう思った瞬間。
「ズドドドドガボン!」
隣にいたマリーベルの手にはガンマンが…。
「わわわわわわ―――!!!」
佳奈はマリーベルにダメでしょ!と叫んだ。
この人、一応芸能人なんだよー!?偉いんだよー!?何、倒してんの!!
「だってハゲてるじゃん」
そういう問題じゃなああ――――!!!!なんだコイツ。主人か?主人が原因か?
っというかさっきからどんだけつっこめばいいの!?私!!!
「大丈夫よ。もうすぐ、エルモ族の村は抜けるから」
マリーベルがふっとガンマンから出ている煙を消す。
そういう問題じゃないと思うんだけどな…。
ていうかさっきの、ば●どうえいじは何だったんだ!!!文字数がムダになっただけじゃん…。
つっこみながらも、佳奈はマリーベルを追った。すると、急に視界が開けた。
そこは一面の野原!でも、その中に誰かいる…ってよく見るとエルモ!?
なんあのあれー!!と、マリーベルの肩を叩く。
「あれは『赤地牡丹唐草文天鵞絨洋套エルモ』ね」
読めね―――!!なげ―――!!
佳奈は盛大につっこんだ。
するといきなり赤なんとかエルモが口を開く。
「信長の私物で最も有名。西洋の素材、ビロードに東洋の牡丹唐草の文様が……」
『ズドガンボド――ン!』
エルモは一瞬にしてグチャグチャになった。
「知ったかぶりもいいところよね~♪」
「……」
マリーベルって恐ろしい…。
そしてしばらく野原を進んでいると…。
『ワン、ワン、ワン、ワン、ワン!!!』
レイが立ち止り、激しく吠えだした。
「レイ子ちゃん!?どしたの!?」
『ワン、ワン、ワン、ワン、ワン!!!』
「どうやら来るようね…ラストボスが…」
マリーベルが静かに懐から何かを取り出した。
と、それと同時に…。
『ウガア!!』
「ひっ!!!」
奇声を発しながら巨大なエルモが現れた。
「出たわよ。『How manyエルモ』が」
「How manyエルモ?」
佳奈が質問したとたん、砂ぼこりが舞い、エルモが動き出す。
『How many Kanas do you have?―I have one Kana!! oh!! my Kana!!』
……何あれ…。
「ラスボスよ」
いや、そうじゃなくて…。
「ズドォン!!」
はやくもマリーベルがガンマンを発射!!
でも、全然きいてない!!
『How many How many? ha ha ha ha!!』
…相変わらず呟いている英語は意味分かりません…。
マリーベルは舌打ちすると、2発目を発射!今度はライフルとガンマン、ダブルだ~!
『ズドガン!』
でもやっぱりきいてな~い!!それどころか笑ってるし…。
『How How~♪ many many~♪』
……。
「もうこうなったら切り札よ。佳奈!!」
マリーベルは佳奈に向かって何かを放りなげた。見ると、ハート形のステッキ。
「これ、さっきのリンカーンエルモが持ってたヤツ…」
「それを振って、『majikaruche~nji!!!』と叫びなさい!」
え―――――――!!い、一応私にも羞恥心というものが…。
「死にたいのか!?」
ハ…ハイ…言われた通りにしまぁす…。
佳奈は1つ咳払いすると、ステッキを振った。
「majikarucho~nji!!!」
『ボワン!!』
煙が上がった。
見ると佳奈が着ている服が〝オカン服〟に!!
しかも超内股で体をくねらせている!!
キャピキャピキャピキャピィ~♥
「ヒ―――――ッ!!これ止めて――!!!」
そんな佳奈を見てマリーベルは静かに言った。
「どうやら佳奈は呪文を間違えたみたい。〝Majikarucho~nji〟って言ったもん」
「っていうか。これじゃあ戦えないじゃん!」
佳奈は今にも泣きそうだ。(ムリもない)
「ダイジョーブ!そのステッキをHow manyエルモに向けてこう言うの。
『chon chon cho cho chon majikaru rin rin♥』
死んでもヤダ―――――――――――――――!!!!
「仲間がどうなってもいいの!?元々佳奈が呪文を間違えたのがいけないんでしょ!?」
「分かったよぉ!もう!言います!言えばいいんでしょ!?」
佳奈はグッと目を瞑る。
『chon chon cho cho chon majikaru rin rin♥―!!!』
その瞬間、ハートのステッキからオカンの幻が!
しかもオカンの幻、エルモに向かって直進!
『必殺。オカンラブキ~~~~ッス!!!』
ベッチョー~~~~~~~~~~。
……うわぁ…なんとも個性的な必殺ですね。
エルモは硬直した。そして、次の瞬間。
『ウガ――ッ!!』
思いっきり地面を叩くエルモ。そのせいで地面に亀裂が入る。
そして、丁度佳奈の真下の部分に亀裂が入り、2つに割れる。
そして、その真ん中にいる佳奈はその隙間に落ちる!!
「キ、キャアアアアア!!!」
「カナ様!!!」
その時、誰かが佳奈の細い手をキャッチした。見上げてみると…。
「ユージン!!!」
それは紛れもなくユージンだった。清潔で質素な服が汚れ戦乱の後が窺える。
「ユージン!!無事だったのー!?」
佳奈はビックリして目を見開いた。
「この私が、黒エルモごときに負けると思いますか?」
ユージンは笑みを浮かべた。
「あのさあ…感動の再会はいいんだけど…」
マリーベルは、2人の肩を叩いた。
そして視線を移したその先には…。
「……へ?」
「さきほどのHow manyエルモが怒りのあまり進化したようです。あれは、キング・コングエルモです…」
そこには、顔だけエルモで、体が巨大なキング・コングという何とも奇妙なエルモが仁王立ちしていた。
(うわあ…なんか、すっごく死の予感……)
何ですかね、この話し。ゲスト多すぎですよねー……まぁつっこんじゃダメです。
サブタイトルも意味不明ですね。