巻ノ五十四 何気に前話のタイトル「ノ」が「の」になってるの気付いたけど、直すのメンドイの巻
静かな、夜だった。
砂粒をばらまいたような満天の星空がささやかな自己主張をしているその下には、一件の旅館『ブタ』が。
そこでは外の静寂とは対照的に、白熱した戦いが繰り広げられていた…
「――って何作者2はふつーの描写してるわけ?そんなことしたら新規の読者様が混乱するじゃねーか」
「無問題ねヴェルカラはん。この話に新規の読者様なんている訳な淫乱チョビスコ美味いね分散」
マイクはとれた鼻を頭に乗せながら言った。なんとも器用なマネをする奴だ。
「そもそもこの話をここまで読める奴がいたらそいつは普通の精神じゃナイチンゲールのデンゴンゲーム」
なるほどマイクの言い分ももっともである。というか切実にこの話の読者様がほしい。
「というか卓球忘れてねーか?卓球早く終わらせよーぜ」
おっと、そうだっタルマリン漬けのホルマリン漬け。えーと、今は…
「次はいよいよミス・グリーンVS我らが女王様・マリーベルはんの対決たいねんがら年中ドッカーン☆私のお股はズッキューン☆」
「落ち着けよ」
めずらしくヴェルカラがマトモだ。マイクは項垂れた。頭上の鼻がぽとりと落ちた。
「oh~」
「山」
「oh~」
「川」
「oh~」
「アンコ」
「谷」
なんでアンコの時だけ「谷」なんだ!
「谷……アンコ………むふ」
「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああ、ヴェルカラはんが覚醒しておいどんを襲ってくるりんちょおおおおおおおおお!!」
「ミソッカスデスね」
ピッピーーーー。
体育教師の持ってそうな笛の音がした。
ヴェルカラがはたと正気に返って空を見上げる。
「作者1になったな」
「作者2が全然書かないし、なんかかなりカオスなことになってるから哀れになったんじゃないかしら?」
「哀れですわね。作者2」
「だな」
「だ納豆ネバネバねばねばボ~イ」
そこで作者はフリップをたてる。
「ん?なになに。作者1、別の名前でまともな話書いてるんでぜひ読んで……?」
「oh~でも、作者1のdifferenceなnameなんてダレもknowしないんデスヨ」
「違うわよ、ミス・グリーン。作者1は誰も知らないことを承知で、気になった誰かがココクリに感想をくれるんじゃないかと思って書いてるのよ」
「な、なんだと!?何気に知能犯だな」
「だ南蛮焼きがじがじ鑑真ボ~イ」
「でもそもそも、ココクリにも読者がいないんだから意味ないんじゃないですの?」
「……作者1も哀れね。どこにも読者がいないわ」
「だってアレだよな。ココクリのお気に入りの半分くらいは、本人だぜ?」
言うなぁぁぁああああああああああああああああああああ。
「何気にスゴイこと暴露したわね」
「それにどうせ他の読者の人も、お気に入り登録はしてもぜってぇこんな所まで読んでねぇって」
「わからないですわよ! もしかしたら1人くらい読んでるかもしれないじゃないんですの!……うう」
「oh~ハミルトンさんがcryしてマスヨ」
「あなたも前話で泣かせてたじゃない」
「YES!excitingデシタ!!」
「直訳すると『興奮デシタ』になルンバうぃ~ん。おいどんのピーーーもうぃ~ん」
「今普通に放送禁止入ったぜ」
「なんか話それてきたわね」
「とりあえず卓球終わらせるたメンタルぱわーに、この会話をまとめた方がいインターナショナルぱわー」
「そうね」
もはや誰もマイクをつっこんであげない。普通の可愛いそうな人になりさがった。
いや、佐藤先生ほどじゃないけど。
で、マリーベルが指を鳴らすとフリップが現れた。
みんなで指を下に向けて、テレビのプレゼント応募状態である。なんかみんな向けてる指が親指だけど。
『ココクリ。最近ホントの本気で読者の有無が気になるから、もし読んでるならそこのアナタ!内容は『あいうえお』でいいので感想を送ってみてください』
「これでOKね」
「OKデスネェ~」
問題は多そうだが、2人が「ふふふ」と笑いあってるのでいいだろう。
で、そうだ。卓球しよう。卓球。
「たっきゅ~ん」
「マイク! youには唇がnothingなんデスカ!」
「ふんぎゅぁああああああ。おいどんの唇がぁあああああ」
なぜかグリーン先生がキレて、なぜかマイクの唇がなくなった。鼻よりも笑いにくい。
「いくわよ、ミス・グリーン」
「ええ。逝きましょう」
やめろ。
マイクは鼻と唇を掲げてヤンマーの歌を歌ってる。
「僕の名前はノウズま~ん。僕の名前は唇ま~ん」
若干声音を変えるという、中々芸の細かいマイクである。
「な、なんだアレ」
「分からないですわ!」
反応に軽蔑の色がないから、マイクのことではないらしい。
2人が見ているのは卓球の方だった。
つーかいつの間に始まったんだろう。
「これ、ちゃんとお題だしてるのか……?」
「か、かろうじて口が動いているのが分かるから、出してるんじゃないんですの?」
「でもなんも超音波みたいのしか聞こえねぇぜ」
それがお題と答えのようです。
「しかも早すぎて全く動いてないように見えるぜ」
「いえ。あれは本当に動いてないんですの」
「あ、PKか。PK対決だな」
サッカーじゃねぇか。
もう作者はつっこみに必死だ。しかもそれ、卓球じゃねぇだろ。
……にしても、早すぎてお題が超音波なのは困る。一体作者は何を描写したらいいんだ。
「マイクじゃないんですの?」
ハミルトンが言った。作者は賛同した。
「僕の名前は――」
どうやら繰り返しているらしい。自分と戦いながら歌っている。鼻舞い、唇踊る凄まじい戦いだ。
「2人合わせて顔面ジャー。きーみと僕とで顔面ジャー」
それでは鼻と唇で顔面が完成することになってしまう。
「子供に誤解を与えるから放送できないな」
色々凄過ぎて見ても面白くない卓球に飽きたヴェルカラが口を出した。…そういう問題なのか?
「深夜放送なら大丈夫ですわ。最近の深夜放送はキワドイものも多いですもの」
「見てんのか、深夜放送……?」
「マリーベル様に無理やり見せられますの」
涙目で見てるハミルトンを観察するというプレイらしい。深夜放送の前で深夜放送を決行するとは、さすがマリーベル様だ。
ところでマイクの自分との戦いは指相撲に発展した。1人で指相撲とは、器用な奴である。
「ところでミス・グリーン」
「なんでショー?」
「これ、決着つくのかしら?」
「ムリですネ!」
そりゃまぁ、PK使ってりゃそうなる。ちなみに2人の会話には、全部後半超音波が付いている。
会話をしながらお題も出し合ってるのだ。でも作者には、どこにボールがあるのか見えない。
「つーか炎とか出さないの珍しいな」
「描写がメンドイらしいですのよ。ついでにミス・グリーンの台詞も面倒なので、前回の戦いで勘弁らしいですの」
「…そうか」
そうです。
指相撲からさらに紙相撲に発展したマイクは、「いっけ~ンタウロス。おっせ~んべいシケシケ」と叫びながら奮闘中だ。
「ミス・グリーン。もうこれやめましょう」
「oh~naceなideaデスネ!」
2人は勝手に卓球をやめた。
マイクは1人で尻相撲を始めた。鼻と唇を掲げながら。
「なんだコレ。どうやってまとめる気なんだ、作者1」
「そんなの決まってるんじゃないですの」
「…?」
「これまでオチが付かないとき、作者はどうやってきたか覚えてないんですの?」
「!アレか!」
アレです。
「ていうか、作者2はどこ逝ったのぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
つっこまないよ♪
ちゃんちゃん。
感想、本気待ってますよーー!!