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巻ノ四十九 久しぶりにそれなりの意味があるかもしれない話

その日のことを、彼は一生忘れないだろう――。


「とか書いてみましたの」

「意味分かんねぇよ」


作者も激しく同感だ。というか作者はつい最近まで真面目な話しか書いていなかったので、いまいち感覚がつかめない。


「つーか作者、真面目な話かけるのかよ」


なんということだろう。登場人物に普通に話しかけられてしまった。


「いつものことじゃない」


そんな当たり前のことも忘れさってしまったの――ふっ。


「帰ってこーい…」

「これはダメですのね」

「てかコイツ。今回の話もなんも考えてないぜ」

「どうせあれよ。『特に深い意味もない話続々(ゾクゾク)』とかいうのが始まるに決まってるのよ」

「そんなタイトルだっけか?『特に深い行為もない話』じゃなかったか?」

「二重の意味で間違っているたいよ……」


最もなマイクの発言だ。

マイクは記憶を辿るように虚空を睨んでいる。


「そないな話ではなく『特にナウい淫乱な話』ではなかったケンタウロス」

「マイク……お前、色々大丈夫か」


なんと!ヴェルカラに心配されてしまった。


「oh~!作者はマイクの口調をforgetしてしまったのデスねぇ。そういうムセキニンなthingばかり繰り返すから内閣は腐敗したままなのデス。badなのは政治家だけではアリマセン。ムセキニンなのも政治家だけではアリマセン。japanというcountoryのeverythingが、ケンキョとテイシュクという名を借りたムセキニンなのデス!」

「ミスグリーン…。変わらない様子で安心したわ」

「変わらなさすぎだろう」

「oh!拝啓ヴェルカラ殿。changeがcannotなニンゲンなどnonoなのデスヨ!」


もういいや。

作者は遠い目をして会話を打ち切った。というかこれから何が起こるのだろう…。

考えたが、股間のアンコほどの価値もない作者には全く思いつかない。だがまぁメンドクサイので、適当にキーボードをたたいて見る。ちなみに作者はタイピングが好きである。


ペコ。


「な、なにたい猫娘」

「なんか落ちてきたわね」

「巻物ですの?」

「japaneseの文化はworldに通用するのデース」

「てか急だな」


作者は苦笑いで、登場人物に巻物を見るように促した。みんな渋い顔だが、一応従ってくれる。…なんだこの話は。

とりあえず、マリーベルが巻物を摘まんだ。汚いモノを掴むような仕草と視線である。普通そう言って想像するのは、親指と人差し指による持ち方だろうが、マリーベル様の場合はPKで浮かせることを言うのでお気をつけ~。


「てかモノとかカタカナで書くんじゃねぇよ」

「コウフンするんデスねぇ」

「……」


ニッコリ笑うグリーン先生を、ヴェルカラは涙ぐんで睨んだ。台詞を取られたのがよっぽど悔しかったのだろう。

みんなでまるっと無視してやった♪


「えっと…何かしら『秘伝の書』?何よこれ。捻りがないわね。いくら凡庸でくだらない、なくなりかけのボディーソープ並みにイラつく一般人だとしても、もう少しマシな名前があるんじゃないかしら」


作者は無言で押し黙り、ちょっと考える。


ぽんっ。


「名前が変わっタヌキおやじ」


変わったのはてめぇの口調だろ思ったが、みんなメンドクサくてつっこまなかった。どんどん作者に似ていく登場人物である。これは将来リアル自宅警備体決定だろう。作者は同士が増えた嬉しさに、ひっそりとほくそ笑んだ。

マリーベルは絶対零度の眼差しで巻物を見つめる。


「『舞い散る桜と、飛翔する金龍の舞い。六花流剣法、一子相伝秘伝の書。ああ弟よ君を泣くっていうものの、弟元気で帰ってきちゃいまいち格好がつかないよね。ってそれはつまり死んでもらった方がありがたかったわけで、全然弟に生きていて貰ってもいいことないじゃん――の書』」

「「「「…………」」」」


どんなもんじゃい。

作者は満足げに笑った。

登場人物たちはもはや憐れみの表情で作者を見つめてくる。そして「ダメだ」と呟いて首を振った。…なんという疎外感。仲間に入れてほしい作者である。


「マズは、その巻物をopenするのがgoodデスよ」

「どうかんジュースね」

「とりあえずそれが最善ですのね」

「早く開いちゃえよ。俺は焦らされるよりはジラしたい男なんだよ」


四者四様の反応の中、マリーベルは全く気負った様子もなく巻物を開いた。

全員が息をのむ。(一応雰囲気的に)



――そして、世界が反転した。




「こうして巻物を覗き込んだ俺たちは、どっか良く分かんねぇRPG風の空間に飛ばされたのでした」

「相変わらずの御都合発言たいねんねしなぁ~」

「意味分かんないんですの」

「それはeveryoneデスよ」


ちなみに作者も入っている。作者は何も考えていないのである。つーか考えるという行為がメンドイ。はいスイマセン。私は社会のゴミです。


「アレはほっときましょう。それより見なさい」


マリーベルがスラリとたおやかな指を示す先には、何やら人込みが出来ている。

みんなで顔を見合わせ、とりあえずぞろぞろとそこにつっこんでみた。

彼らに人込みなんて関係ない。それはもう、発泡スチロールに模様がついたくらいどーでもいい。というか、彼らが近づくと人々が勝手に道を開けた。なんか輝き方からしてそこらの愚民とは違うのだ。

ちなみにその先には、木でできた掲示板的なモノがあった。


「ちゃっちい木の板ね。こんなもの暖炉のたきぎにもならないわ」


マジか。作者も若干驚いて見たり。


「何か書いてありますのよ」

「おいどん。フェニキア文字と、古代アラビア語と日本語は分かるたい焼きんぐ。でもそれ以外の言葉は読めなイングランド」

「そのイングランドの言葉はどうしたんだよ」


まさかのヴェルカラつっこみである。

とりあえずマリーベル様が咳払いして、星が煌めくような美声で音読し始めた。その声を聞いたそこらの一般ピーポーが、恍惚の眼差しで石化していく。


「『ゆうしゃを、をさがしています。おうじょさまが、わるいまおおに、さらわれてしまいましら。だから、さがしてほしいです』」


沈黙。なんか色々つっこみ待ちの様子だが、この物語の登場人物たちはそんな素直な行動をとってはくれない。

ヴェルカラは、ボリボリと頭を書いている。そこからアメちゃんが降ってきた。


「なんかアレかおい。ダンジョンか?ダンジョンなんだな?王女様を助けだしたら元の世界に戻れるパターンだなおい」

「なんて馬鹿な国なのかしらね。王女が誘拐されたなんて失態をこんな簡単に民にひけらかすなんて…。王家の求心力がなくなる上に、他国に舐められて、結局は王への不信感につながっていくのよ」

「な、なんか普通の王女さまみたいたい揚子江川イルカ」


ベショ。


マイクが溶けた。

まあいい。三秒後には復活していることだろう。うん。


「まぁいいですわ。とりあえず勇者でもなんでもなってやるんですのよ」

「そうね。申し込み先はないけど、こんなの王城に行けばいいに決まってるものね」

「でも、誰が王女とサービスシーンをすることになるんだ?」

「美人なら私。不細工ならマイクに決まってるでしょう」

「俺もしてぇぇええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ」


本日初叫びだ。

マリーベルは華麗に無視して、指を鳴らした。すると一同は王宮の中である。

そこは大ホールで、一番高い所に王様が座っている。

その王様を見て、読者の方々も察した通り、全員が息をのんだ。

なんでかって?気になるでしょう?なんでだろうね。うふふ聞きたいかい――うぼっ!


「早く書きなさい、社会のゴミ」


…………作者は、半泣きで書きだした。


ええっと、あれだ。(どうしよう。なんも考えてねぇ…)

その、なんていうか。(わたわた)


作者は沈黙してふと机を見た。そこにはブルマーチョコが置いてある。


そう。そこには、ブルマーチョコで全身を覆われた、バランスボールサイズのナニカがいたのだ!!


「…かなり無理矢理ですのね」

「許しちゃり魔法少女萌え」


まぁそんなこんな、ブルマー王が悲痛な声音を上げる。


「ぼくのおうじょが、さらわれてしまいました。たすけて、ください」


「「「「あの看板書いたのコイツかぁあああああああああああああああああああああああああああああああああ」」」」


誰もが衝撃を受けた。

どんな王様やねん。よくもってんなこの国。

呆れる一同はめんどくさくなって、マリーベルを見た。糸を察したスーパーマジカルワンダラーグランドキャニオンキャピタルクラーク(意味はもちろんない)王女様は懐からリモコンを取り出した。


ピコ。


「早送りを押したわ」

「さすがですわ」

「私の弟子デスからねぇ」


とかほのぼの話す目の前で、ブルマー王が1人でわたわた泣いたり怒ったり懇願したりしている。

マリーベルは不意にその場の四人を振り返り指を鳴らした。


ぽんっと音がして、全員がミラクル衣装チェンジしている。…これはあれだ。旅に出るための服だ。

ちなみに大人の都合(作者が猛烈に腹が減った)ため、詳しい描写はまた次回だ。


とりあえず一同は円陣を組み、その中心で手を重ねた。

ヴェルカラが大きく息を吸う。


「行くぜぇええ」

「「「「おおおぉおおおおおおおおお」」」」

「王女助けるぜ」

「「「「おおおおぉおおおおおおおお」」」」

「サービスシーン盛りだくさんだぜ!」

「「「「おおおぉおおおおおおおおお」」」」

「猥褻だぜ!」

「「「「おおおおおぉおおおおおおお」」」」


みな満足げに叫ぶと、窓の向こうの空を見上げた。

そこには夕焼け小焼けな風景が広がっている。

町に滲むその美しい光を指差し、マイクは駆けだす。


「せい・春菊!!」


そして四人はその後を追っていったのだった。


てな訳で、五人の旅は前途洋洋。次回も大人しみに。見ないと佳奈が、行っちゃうぞ☆

なぜこうなってしまったのか…おそらく作者が一番分かりません。

あと作者はあまりゲームに詳しくないため、現在絶賛困惑中です。……はぁ、どうしよう。

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