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巻ノ四十五 とあるケツの怪談

ところで、『尻とおっぱいがくっつく部屋』を一行(マリーベル・ハミルトン・ヴェルカラ・グリーン先生・マイク)が後にしようとした時…。それは起こった。


「あぁ、ヒバリが鳴いている!もう帰らなくては!」


なんかテンションの高い声が響き渡った。みんな胡乱気に目配せし合い、そろそろと振り返った。そしてぎょっとする。なにせそこには「尻とおっぱいがくっついた」ナニカが存在したのだから!――え?それってどんな状態かって?そんなの私に聞くな。

まぁとりあえずその物体は、臨場感たっぷりに悲しげに目を伏せている。すると次の瞬間、ぽんっと音がして隣にもう一体ナニカが現れた。そいつは激しく首を振り、髪を振り乱す。


「いいえ…あれはナイチンゲール!夜の鳥よ!」


そうして二体のナニカ(以後、尻男と尻子)は、切ない瞳を湿らせている。

グリーン先生はにっこりした。


「oh~これはjapaneseジョークですネぇ?littleキツイですよ、もっとeasyじゃないとno smileデス」

「ミ、ミスグリーン……?これを冗談だと思えるのはとってもすごいんですの。だけど何かアレ近づいてくるから、速く逃げた方がいいんですのよ?」

「you!」

「な、なんですの!急に大きい声出さないでくださいですの!」

「…‥彼らには、シリオとシリコというwonderfulなnameがあるのデス!アレなんて卑猥なwordはno noデスよ」

「……………ごめんなさいですの」

「おいおい。何でお前このタイミングでしょんぼり謝ってんだよ」


ヴェルカラは呆れ顔だ。ちなみに先ほどハミルトンが言ったように、今尻男と尻子がノソノソと近づいてきている。マイクは恐怖に戦いている。


「な、なななんてことたい!あの尻は恵美ちゃんのブツより美しいぜよ!?」

「Mike!そんなのとってもeasyなthingデスよ。今からyouがエミから尻子にケツ替えそればいい話なんデスよ!」

「さすがミスグリーンね。とても素晴らしい考えだわ」

「oh!あなたに褒められるとbadなキモチにはなりマセンねぇ。さすが私のイチバン弟子デス」


いつからマリーベルはグリーン先生の弟子になったのだろうか?しかしマリーベルさまは否定せずにハニカンデいるから、多分事実なのだろう。うん。触れずにおこう。

ついでにマイクは救われたような顔で、天を仰いでいる。


「そうぜよ!わしは恵美ちゃんも尻子も、両方いただける希望があるけん」

「いや、お前話変わってるし…」


またもやヴェルカラが呆れているが、マイクは全く見てもいない。その間もズシズシと尻子たちがよってきている。

もはや誰も逃げる気はなく、ただ興味津津で2つの裸体を観察していた。そしてマリーベルがヴェルカラを見る。


「ところでこの部屋の怪談についてはなんて書いてあるのかしら」

「えーっと……」


ぱらり、ぱらり。

しばらくページをめくり、ヴェルカラは見つけたページを読み上げた。


『絶望&絶望!!部屋に入った者たちを襲う、尻とおっぱいのくっついた卑猥な物体……。そして始まる悪夢は――果たして、夢か現実か?』


ちょっと静寂がおちた。

尻男のつぶらな瞳が、パチパチと瞬く。

ハミルトンがヒクリと頬を引きつらせた。


「…それって、もはや怪談なんですの?」


みんな同感だったので、特に何も言わなかった。

代わりに、グリーン先生が首をかしげる。


「by the way…startするアクムとは、いったいなんなんデショウ?」

「確かにそうね…?」

「もはやこれ自体が悪い夢ですのよ?まだ何か起こるんですの?」

「体験者の声の欄読むぜ?」


みんなコクリと頷く。


『介護ヘルパー一級、取りました。鳥取在住:16歳 女』


ぎしっと天井が軋み、何かが落ちてきそうになった。マリーベルが無言で上に気を放つ。何かが空に吹っ飛んでいった。


「お粥が嫌いな御老人はいないわぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああああああ」


マイクがちょっと哀れそうに空を見上げた。すっかり吹き抜けである。

その他は全員(尻男と尻子も含めて)は丸っと無視だ。


「っていうかそれなんの報告ですの?」

「しかも鳥取だってよ。俺鳥取って砂丘以外なにあるのか全然知らねぇぜ」

「おいどんは、日本はあんまり知んねぇんどす」

「oh…なんて嘆かわしいんデショウか……鳥取にはvery veryスペシャルなthingがmenyなのデスよ。たとえばjapanでbiggestなヤヨイのシューラク跡、妻木晩田むきばんだ遺跡。japanのハジメテなヤヨイ人の脳味噌を見つけた青谷上寺地あおやかみじち遺跡……。他にもmenyデスよ!」

「い、いつもながら凄い博識ですのね。ミスグリーン」

「oh――」

「女は秘密を着飾っては禁止よ」

「oh…」


グリーン先生は悲しそうに目を伏せた。


「ところでよ。なんでその鳥取在住の女は、16歳で介護ヘルパー一級取得してるんだ?」

「?それがなんの問題なんですの?わたくしは5歳で暗殺術をマスターして、師匠に膝をつかせたんですのよ?」

「それはハミルトンさんが規格外じゃけんよ」

「そういうyouも、3歳の時には壬申の乱に駆り出されてシシフンジンでしたよね」

「…昔話はやめちょくれやす」


マイクの何かもーつっこむのもメンドイ方言とかは無視で、ココクリメンバーは全員(もちろん尻男と尻子も)衝撃を受けた。グリーン先生の言葉を信じるのならば、2012年現在。マイクは1342歳ということになる。てか前に、グリーン先生もアレクサンドロスの遠征がどーたら言っていた。0歳児が遠征に参加したと考えても、彼女は2345歳ということになる。

……なんかみんな、ちょっと引いた。しかしマリーベル様はそんな一般ピーポーの反応なんか関係ない。1人頬を赤く染めて、なぜかグリーン先生を見上げている。


「さすがミスグリーンだわ!」


妙に嬉しそうである。なんかみんな、色々どーでもよくなって話を戻した。


「で?なんだっけか?16歳の女が介護ヘルパー?結局なんの話してんだっけ…?」

「怪談ですのよ」

「んだんだ。お尻とおっぱいがコンニチハじゃけんよ」

「というかぁ~尻男と尻子は結局なんなんデスか?」


みんなで二匹をみつめる。彼らは恥じらいに頬を染めつつ、顔を俯けた。ヴェルカラは懐から『おっとっとっと』と書かれた袋を取り出し、お菓子を食べ始める。若干以上に面倒になってきたのだ。


「you、それはveryオイシソウですね!私にも分けてplease!!」

「あ!わたくしも分けて欲しいんですの!」

「おいどんも」

「じゃぁ私ももらっとこうかしら」


五人はきゃっきゃ叫びながら、楽しそうに戯れている。

尻男と尻子は顔を見合わせた。その瞳が、どんどん寂しそうに曇っていく。それでも気づいてもらえないので、ついにはボトボトと大粒の涙を零し始めた。


「oh?」

「なんですの?」

「だっちゅーの☆」

「なにかしら?」

「おっとっとっとっとっとっとっとっとっとっとっとっとっとっとっとっと」


五人は同時に声を上げた。ちなみにグリーン先生が「oh?」という間に、ヴェルカラは上の台詞を読み上げた。なんか色々さすがだ。

ちなみになぜ声を上げたかと言うと、尻男と尻子の涙が溢れて部屋中に水がたまりだしたから……ではない。別にここにいる五人はエラ呼吸ぐらいわけない。なのでそんなことは問題でもないのだが、なにせその水面が虹色に輝いているのだから、「なんだコレ?」ぐらいには思うのである。

五人はゆくりと尻×2を見た。つぶらな瞳が、訴えかけるように見つめてくる。『おっとっとっと』が食べたいのだと思ったヴェルカラがそれを投げるが、パクリと口にした尻男は逆に興奮した。


ちゃんちゃんちゃん、ちゃっちゃちゃーん、ちゃっちゃちゃーん。


某ダースなヴェイダーの効果音で尻男の尻の割れ目が、肉厚の唇のように動く。

さすがにマリーベル様もびっくりした。


「あ、あなた喋れたのね」


まぁ尻が歌ってれば当然だろうが…。

尻男は泣きはらしたケツで、きっとマリーベルを睨む。


『二月が短い理由は、元々一年の最後が2月だったからなんだYOぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお』


その声が響き渡った瞬間、全員の視界が虹色に染まった。




「なんで尻も雑学なのぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」


佐藤先生が降ってきたが、その部屋にはもう誰もいなかった。

ちなみに佐藤先生は鳴いていたとさ。

あー…。

はい、ごめんなさい。以外の言葉がでてこない。我ながらなんて話を書いてるんでしょうか。

でも後悔はしていない私です。うふふ。

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