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巻ノ四十三 ココクリはケンブリッチもこえた……。

ぱん、ぱぱぱんッ


「ミスグリーン、主人公就任おめでとうですの!!」

「「おめでとう!!」」


クラッカーを鳴らしたハミルトンが叫び、その他外野もワイワイと捲し立てた。

頭からカカオを生やしたグリーン先生は、嬉しそうほほ笑んでいる。ちなみになぜカカオが生えているかというと、作者がチョコレートを食べたいからだ。


「oh!とってもthank youネ!これからガンバリますよー!」


城に住む諸々の人々が、グリーン先生を取り囲んで頬を上気させている。みんな佳奈が死んだのが、よっぽど嬉しかったらしい。…哀れな。

まぁとりあえず、どっかの旭丘ボーイのように「まぁまぁ」と皆を宥めるグリーン先生は、中々様になっている。マリーベルは遠くから満足気に頷いていた。

と、そこで空気の読めないヴェルカラが、懐から一冊の本を取り出す。


「まぁあれだな。とりあえず作者も面白いことしなきゃと焦ってるし、さっさとなんかやろうぜ」

「youはサイテーboyネー。大気圏でfireしてやりましょうかー」


渋い顔のグリーン先生もとりあえわず、ヴェルカラは右手の本を掲げて見せた。そこにはどーみても血文字で『必見!クレスティア城のここは見ておきたいベスト100』という文字が…。しかも隅っこに小さく『る●ぶ』と書かれていた。


挿絵(By みてみん)


「この城に見どころが100もあるんですの?」


ハミルトンがもっともな疑問を上げたが、そもそも城が観光スポットになっていることには誰もつっこまない。まぁそんなこといちいち構っていられないだろうけれど。

ヴェルカラは首を傾げながら、本をパラパラめくった。


「さぁな。実は俺もまだ中身は見てないんだよ。てかコレよく見たら、全部心霊系だな」

「城なんてそんなものでしょう。そもそも表紙血文字じゃない」


呆れたマリーベル様の言葉に、ヴェルカラはなるほどと頷いた。


「でもよく見たらほぼ全部墨塗りになってるぜ」

「兵隊さんがトテトテしてるんですの?」

「oh~それはポテポテじゃありませんデシタかー?」

「そうでしたかしら?」

「いや、どうでもいいからコッチにつっこめよ」


ヴェルカラが言うが、全員に無視した。悲しくなったヴェルカラは腹踊りしてみたが、無言で殴られた。

まぁしばらくしたらグリーン先生が、バラバラになっているヴェルカラの中から本を取り上げてくれた。


「ホントに墨塗りデスね~」

「ちょっと貸して頂戴。サイコキネシスで元の文章を探ってみるわ」


マリーベル様が本を取り、目を瞑った。そしてだんだん顔を引きつらせていく。

ちなみに浮かんだ文字はこんなのだった。


恐怖!?真夜中に、部屋から零れる謎の液体。検証の結果は、なんと涎!

戦慄!顔面崩壊悪魔に追いかけられる!

オムツ必須!顔面崩壊の謎の生物にあんこを塗りたくられる!


「oh~それはアレですねぇ。カナがdieしたのでbyeしたのデスね」

「そうみたいね」


そこでバラバラぐちょぐちょだったヴェルカラの、口元だけが終結して口を挟んだ。


「なんか作者も面倒がってるし、速く心霊現象調査に行こうぜ」


マリーベルのかかとが、ぐちょりと音をたてた。





「ていうか、あれだな。城の中って随分久しぶりだな」


いつの間にか完全復活を遂げたヴェルカラが呟いた。この物語は作者の超ご都合だと思いだした方も多くいらっしゃるでしょう(といういてくれ、読者)

というか今さらながら、ほぼ城の描写がなかったことを思い出した作者であった。


「そもそもこの城の構造を考えてないのに、かけるわけないんですの」

「oh~今さらそんなことされても、ウザイだけデースねー」


と、ふいに天井が軋んで穴が開いた。


「そういう所はちゃんとやりなさいぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいい」


佐藤先生が叫びながら階下に落ちて行った。……やはり誰もつっこまなかった。

まぁなんだ。とりあえずその後もしばらく歩いて、一向は立ち止った。ヴェルカラは手の中のる●ぶと目の前の部屋を見比べる。


「ていうかいつの間にマイクいるんだ?」


振り返ったヴェルカラが呆れ顔で言う。マイクは半泣きだ。


「おいどんは、さいしょっからいたであ~る」

「誰か―。こいつの目がなんか俺に発情を呼びかけてるんですけどぉ」

「やめるんですのぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」


3人はしばらく揉めて、ふいに動きを止めた。


「……どうして誰もつっこみを入れてくれないんだ?」

「そうたいね。おいどんは大抵危うい所で助けてもらえるのに、もう行くとこまでいっちゃってるたいね」

「そうですわ。マリーベル様がいないんですの!」


3人は同時に手を打った。


「ていうかさっきまでいたよな?」

「そうたいね。ってさきから、おいどんそればっかり言ってるニャン♡」

「…………………………………もういいですわ」

「お前なに普通の反応してんだよ。もっと奇抜でファンタスティックなリアクションとらなきゃ、この物語から下ろされるぜ」

「!そうですわね。佳奈と同じ間違いなんて、死んでも御免こうむりますわ」


なんと。佳奈は奇抜でファンタスティックなリアクションを取れなかったから死んだらしい。


「でも、アールアールは存在自体が奇抜だったたいよ。なにせ、恵美ちゃんがおいどんの股間につっこんだ原因だっちゅーの」

「アールアールってなんですの?」

「あれだよ。某貴也さんの物語で、なんかぶっ飛んだ奴だよ。取りあえず作者の中では『アールアール=笑い』なんだよ」

「そうですのね。わらっときゃいいんですのね。うふふふふ」

「そう言えば恵美ちゃんはどこいったんだっちゅーの?」

「おいおい。作者『だっちゅーの』気に入ってるぜ。どうすんだよコイツ」

「ほっとくんですの。ちなみに恵美と慎の行方は、作者も知らないんですの」

「婚前旅行よぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」


また天井から佐藤先生が落ちてきた。マイクだけが微妙な表情で天井を見上げていた。

うん。そのへんで作者は思った。メンドイから速く進めようと。というわけで、ヴェルカラは急に扉を開いた。

その向こうには、なんだかよく分からない世界が広がっていた。


「…………………なんか咲き誇るバラの花の中にマリーベルが見えるんだが」

「作者のご都合発言御苦労様ですの」

「おいどんはそれより、マリーベル様の周りにいる女の方々が気になるんだっちゅーの☆」


まぁあれだ。総合すると、部屋中がバラと少女のドレスに埋め尽くされ、その真ん中にある瀟洒なイスにマリーベルが腰かけていた。ちなみにその周りは頬を染めたレースの軍団が囲みこんでいる。ハミルトンはゆっくりと顔を引きつらせた。


「マリーベル様の親衛隊ですわね」

「てあれかオイ。超過激の最凶の軍団。その親衛隊に入るためには、マリーベルと並んでもなんら遜色ない容姿と教養がいるっていう化け物軍団。ケンブリッジ入るより難易度高いっていうあれか……」

「そうですのよ。しかも全員マリーベル様を敬愛しまくっていて、強盗・殺人なんでもやりますわ。ちなみに偏差値80の軍団ですの」

「補足説明ありがとうたい」

「で、なんかその集団が俺らを超睨んでるんだが、なんでだろう」

「殺気だってますのね……。ちなみにる●ぶにはなんて書いてあるんですの?」

「えーと……」


絶対に開けてはいけない扉。扉の向こうから聞こえてくるかしましい声。ふらりと誘われ開いた男は廃人に、少女はみな帰ってこない。恐怖の扉の先に待つものとは――!?


「…それはまぁ。マリーベル様に匹敵するような完全無欠少女たちの美声に、ふらりと開ける馬鹿な男はいそうですわね……」

「少女は帰ってこないってのはつまり、奴等に美味しく頂かれるわけか……?」

「でもそれだって、あの集団に匹敵するような美少女じゃないと、相手にもされないんだっちゅーの☆」

「つーかそんな奴そうそういるわけ………………………」


ヴェルカラとマイクが硬直し、同時にハミルトンを見た。

140センチの身長に、思わずうっとりする様な可愛らしい容姿。あんまりちゃんと描写するとメンドクサイからしないけれど、とりあえずこの上ない美少女である。しかも以前に『わたくしは王立学院で歴代2位の成績で卒業しましたわ』『いいんですのわたくしは2番で、だって1番はマリーベル様ですから』と言っていた。つまりこの国で、マリーベル様の次に秀才なのである。

真っ青になってパクパクしているハミルトンと、固まってる男2人。しかし親衛隊は待ってくれなかった。


「ハミルトンを捕まえなさい。みんなでハミルトンを観賞しながらお茶会よ。ちなみに捕まえた子は、明日1日私とデートね」

「「「「「うおぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」」」」」

「おいおい。マリーベルってそんなキャラだっけか!?」

「おいどんには、これがエリート集団なのかよく分からないたいが……」


マイクの言葉ももっともである。なにせドレスを捲し立てた集団が土煙を上げながら近づいてくるのだから。


「マリーベル様とデートよぉぉおおおおおおおおおおおおお」

「ロリ系少女の観賞会ぃぃいいいいいいいいいいいいいい」

「マリーベル様は私のものよぉおおおおおおおおおおおおおおお」

「でぇぇぇぇとぉぉぉぉ」

「マリーベル様も素敵だけど、ハミルトン様も可愛いぃぃぃいいいいい」


なんか良く分からないけれど、ヤバい奴らなのは確かだ。

身の危険を感じたハミルトンは、懐から短剣を取り出した。


「や、殺られる前に殺りますわ!」


ハミルトンは暗殺のプロである。普通なら警戒して足を止めるだろう。というか普通の令嬢は怯えるだろう。

…しかし彼女たちは、なんてったってマリーベル様の親衛隊だった。(アイドルではない)

なんと全員懐から武器を取り出した。しかし全員興奮気味だ。


「「「「「美少女ギャップ萌えぇえぇええええええええええ」」」」」


その後ハミルトンはどうなったのか?

それは皆様のご想像におまかせします。




ちゃんちゃん。

いまいちテンションが上がりきらない話しでした……。

グリーン先生消えたし……。

まぁ次では「あんこ」ぐらいのテンションにもどしたいと思います!

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