巻ノ一 はじまり
注:この小説は、作者が二匹います。しかも、欲望のままに書き綴っているため、はっきり言って滅茶苦茶です。
急にお笑いになったり、いきなりシリアスモードに入ったりします。
感想の批判などは受け付けますが、苦手な方は戻るボタンをカチッとお願いします。
また、作者達は寂しがり屋なので、お気に入り登録がずっと0だったり、感想が全くこなかったりすると鳴きます…じゃない泣きます。
思い余って自分で感想を送る可能性があるので、どうか私たちを救ってください。
長くなってしましましたが最後に。
私達は両方とも、当サイトで別の執筆活動に勤しんでいます。(一応ファンタジー系の)滅茶苦茶暇で死にそうな時は、どうぞ作者当てごっこでもしてみてください。
当てた方はディズニー旅行!とか冗談です。
――ある所に、それはそれは美しい一輪のバラが咲いていました。
そこにはたくさんのバラが咲いていて、とても綺麗な場所でした。
なのでとある青年は、一番気に入ったバラの花を摘んでしまいました。
それはとてもいけないことなのに…です。
そうして、全てが始まったのです。
今しがたまで晴れ渡っていた空に、突然どす黒い雨雲が集い始めた。
「降るかなぁ…」
少女がぼんやり空を見上げていると、ポツンと何かが額にぶつかる。
「え…?尻野アナは降らないっていってたのに!」
二次元と三次元の区別のつかない危ない主人公は、うきゃぁああと奇声をあげた。
聞いてないよぉと叫び、半泣きで家に駆ける。顔面が汚いので、とても悲惨な絵図らになった。片手には犬のひも持っていて、ぶるぶると体を震わせながら、ペットの柴犬がついてきている。ベタにも出会いを求めて近所の子供から強奪してきた所だ。
先ほどまで、全力で逃げようとしていたはずの愛犬レイ(ただいめ命名)は、急にぶちぎれたように走りだした。
始めは必死で追いかけ可愛い女の子を演出していたが、走ったせいでせっかくの裸エプロンがどろどろになりかけた時、少女はそれを断念した。
「ストップ!!ウェイトプリーズ!わたしは追いかけるより追いかけたい女なの!」
犬によく分からないことを語りかける14歳…。急停止するとバランスが崩れ、水たまりにダイブした。彼女にはお似合いだ。
「ワン!」
「ふん、バカな野郎だぜ」そう言いたげな、極限まで見下した態度でレイは鳴いた。少女はふぎゃぁああと髪を逆立て、レイを鷲掴みにしつつビルに飛び込んだ。
ビルと言っても、そこはあぁ……ほらボタンとかあって、ドアとかのあるオートロックの外側のような所で、おそらく迷惑極まりないことだろう。まぁ彼女は存在自体が迷惑だが。公共の福祉のために殺しても文句は言われまい。
「うぅ~ホントに降ってるよ~尻野アナめ、こーなったらわたしが江戸の町を守るわ!」
もう意味不明である。変質者と誘拐された犬ではつっこむ人員がいない。いても人事不詳になることは間違いない。
……雨粒が地面に落ちて、砕け散る音が耳を満たした。つんと鼻につく雨独特の香りが気分を下へ下へと引っ張っていく。――とか、真面目な文章が混じると妙な違和感。
少女はぶるりと震えた。レイも驚く勢いだ。床が水浸しになりそこにあった機械が、ふしゅーと音をたてて弾けた。…ただの水なのに。レイが本気で怯えて、逆らうのをやめた。
そこでしばらく時を過ごした。
10分ほど経ったろうか?雨はやむ様子どころか弱まる兆しもない。
さすがに監視カメラ相手にコンサートをやるのも飽きて、少女は床に転がった。腹が減ったのか涎が垂れている。レイは隅っこで震えていた。
「もういい。走って帰るよ帰ればいいんだろうコラ」
誰に対して言っているのかは不明である。少女はレイを抱き上げ、思い切ってビルを出た。雨足は先ほどよりも強く、うんざりするが、深く考える暇もなく走り出した。
薄い生地の服は、ぴったり肌に吸いつき、濡れた髪が顔に落ちてきた。なんだかエロい感じになっている…。だがなんか汚いのがこの少女である。誰だって捨てられてカビたコッペパンが、すけすけエプロンを着ていてもそそられないだろう。
雨脚は弱まらない。なぜか局所的に強い気までした。とっさに目を瞑って走る。もともと、雨で悪かった視界だ、そう大差ない。
(この辺で左に行って…そろそろ)
何度かひき殺されそうになりながらも、記憶を辿って進み続け、脳内地図では家(防空壕)辺りに来た頃。
少女はそっと目を開き、絶句した。
そこには、広大なバラの花畑がひろがっていた――――――――――。
「…………………」
滴が濡れて撓った髪からゆっくりと頬をつたう。顎まで来た所で満開のバラの花びらにポタリと落ちた。
取りあえず自分の頬をつねってみる。夢じゃないと確信した時大きく目を見開いた。
「ゑゑゑゑー!?本気!?ここなんのテーマパークだよ!!!スペースマウンテンはどこだー!?ってそれディ●ニーじゃん!!」
(ノリつっこみだ…)
レイは心底呆れた。花に埋もれて窒息死しろ、と切に願ったが少女には鼻がないのでそれは叶わない。
半径五キロが自身の涎で埋め尽くされてネバネバになった時、少女ははたと我に返った。
「と、とにかく前へ進もう…」
少女が一歩踏み出すたびに花が枯れていく。某もののけな姫様に出てくる神様のようだ。
少女はおもむろに手近にある花を掴んで引き抜くと、勝手に花占いをし始める。
「しゅき…きらぁい…しゅき…きらぁい…しゅき………ふんぎゃあああああああああああ」
目、耳、口、毛穴、尻、全身すべての穴からマイナスイオンを放出させる。ただしこのマイナスイオンはただ気分がマイナスになるだけなので、別に癒し効果などはない。
すると、不意に辺りの花々が一斉に揺れた。(ちなみに少女もノリノリに揺れた)
『チャンチャンチャンチャン♪チャンチャンチャン♪』
やたら高音質な、軽快でコミカルなリズムが辺りに流れる。
「ぼ、べへらっ?」
『ぼくらのクラスのリーダーは~♪』
某人気遊園地のマーチで興奮してくる少女。勢いをつけて跳躍し、そのまま大気圏に突っ込んで燃え尽きる。
どうやって帰還したのか佳奈は地球を一回りして、元の場所へと着地した。
何故かその手には『N●SA』のスペースシャトルが握られている。中の宇宙飛行士達は恐怖のあまり我を忘れていた。
ちなみにこの日、全世界に『アメリカ打ち上げのスペースシャトル、大気圏付近で行方不明』という衝撃のニュースが放送されることになるが、それはまた別の話。
そして、その某マーチに合わせるように何者かが登場する。
『やあ!!クッキーモンスターだよー!!』
「………。」
予想もしていない人物のお出ましにより数泊の沈黙。
だが、沈黙と言っても少女の涎と鼻水と体液がゴウゴウという音を立てて流れているので完全な静寂ではない。
「ってアホかぁぁぁー!!なんでディ●ニーマーチでクッキーモンスターやねん!USJかよ!」
(盛大につっこんだ…)
レイは犬ながら心底呆れた。そのままコケて死ね。(2回目)
「でもクッキーモンスターでもあえて感激!!サインくれ~☆」
空気の読めない少女はなれなれしくもエルモに抱きつく。赤い毛並みに少女の涎と鼻水と体液が付着した。エルモは汚いモノを見るような視線で少女を睨んだが、構わず首を横に振る。
『NO、NO、今日はサインはナシね~』
「え~くれないの~どケチのおたんこなす!クーラーに顔突っ込ませるぞ」
何故か少女は体中から放電している。前髪が揺れるたびに火花が散った。
その内某ミサカさんのような超電磁砲を打ち出しそうな勢いである。というか実際打ち出した。
「これが私の全力…ッだあああああああああああああああああああああああああっ!!」
ズバーン。今の衝撃でどこかの惑星が一つ吹っ飛んだ。ちなみにエルモは何も悪くない。
佳奈はすっきりしたのか、花畑に顔から突っ込む。バラの刺が顔面に刺さって悲惨なことになっているので、とりあえず自主規制。
エルモは「精神科病院に行った方がいいのでは」という言葉を飲み込み、改めて少女を観察する。
みごとな丸顔、身長の二倍もの手、パンチパーマ、輝く鼻ピアス、ぐちゃぐちゃの涎掛け、極端に短い足……
『お前、うまそうだな』
「え?なになに私食べられちゃうの~?真昼間からそういうプレイ~?いや~ん困っちゃ」
『Per favore senta la mia storia,La Regina della rosa,(聞きなさい、バラの女王よ)』
次の瞬間。エルモの毛深い手が少女の丹田を捕えました!!
「ゔ…!!!?」
視界がハッキリとしなくなり、すぐに暗闇の世界へと陥る。
『フ…フフ…アハハハハハハ!!!』
狂おしいバラの海の中で、エルモは気絶した少女を見下ろしながら笑い続けた。
……どうでしたか?
「うわぁ、とか、うげぇ」とか思う方がほとんどでしたと思われますが、この小説はまだ序奏にすぎません。これからますます変態に…いや、盛り上がっていくので少しでも「うわぁ、面白い小説だなぁ!」と思われた数少ない貴重な読者様は次の話も呼んでくださるとありがたいです。
また、感想などがおくられてくると2人でお祭り騒ぎです。
どうか、私達を救ってください。
まだまだ書き殴りたい…じゃなく、書き記したいことが山ほどありますが、ただでさえ変態な小説なので後書きも変態では…と思い、ここで失礼させていただきます。
次回はさらにこゆい(?)新キャラも登場する予定なのでお楽しみに!
それでは~