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召喚魔法で異世界無双〜一歩も動かず敵を倒すのって、ちょっとラスボスっぽくね?〜  作者: むーん


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3/3

やはり俺は逸材だった!

 朝目が覚め、支度を整えてから宿を出ようとすると、受付のお姉さんに呼び止められた。


 「どうしました?」


 「今日の外出はできるだけ遠慮してくださいね、とお伝えしたくて」


 「何かあったんですか?」


 「昨日、近くにある広大な森が消滅したんですよ」


 受付のお姉さんは真剣な顔でそう話し始めた。


 「なんでも数百年前、世界に終焉をもたらしかけたと言われるレッドドラゴンによるドラゴンブレスの気配が残っていたそうなんですよ」


 「そ、そうですか……あはは」


 当然、心当たりがないわけも無く、俺は引きつった笑顔を一生懸命に作りながら宿を出た。


 (レッドドラゴンね……。森で試したのはまずかったかな?)


 そんな事を考えながら、俺はこの街の冒険者ギルドへと向かっていた。

 なぜなら、そろそろお金を稼ぎ始めないと、この街の商人のおっちゃん達に怪しまれるからだ。


 (こっちの世界に来てから、買い物はずっと金貨で済ませてたからなー)


 金貨は基本的に皇族や貴族が持ち歩くものであって、一般人が1週間も金貨で買い物することなど、まず有り得ないらしい。

 俺は飯屋のおっちゃんから、その説明を受けてから、大金を持っててもおかしくないような仕事をずっと探していた。


 「冒険者なら、大物モンスターを狩ったりすりゃ、大金が手に入るもんな」


 宿屋がある辺りよりも、さらに栄えた風景が広がっている広場に出て、少し進むとすぐに冒険者ギルドに着いた。


 「ここか……。まずは冒険者登録が定石かな?」


 ギルド内に入ると、俺がやっていたゲームに出てくるような荒くれ者がいた。


 「これまた異世界っぽい!」


 それにしても、冒険者ギルドというくらいだから、もっとたくさんの冒険者がいると思っていたが、荒くれ者たちを合わせても数人しかいなかった。


 「とりあえず冒険者登録をするか……」


 冒険者登録といえば、大勢のいる目の前で自分の高スペックなステータスを披露し、騒がれる場面だが、人数がいないんじゃ意味がなかった。


 「すみません」


 「おはようございます。本日はどのようなご要件でしょうか?」


 受付には、異世界ものの定番通りではなく、イケメンなお兄さんがいた。

 そんな現実に俺は内心ため息を吐いていた。


 「なんでこんなに人が少ないんですか?」


 「レッドドラゴンの影響でしょうね。

 街の近くの森が焼き尽くされ、消滅してしまったことで冒険者も魔物狩りに行かず、家からも出ない状況が続いているんですよ」


 なんだか申し訳ない気持ちにもなったが、気を取り直して、冒険者登録をお願いした。


 「じゃ、じゃあ冒険者登録をお願いします」


 「かしこまりました。では、ステータスを認識させていただきますので、この水晶玉に手をかざしてください」


 そう言われるがままに、俺は両手では収まらないほどの大きさの水晶玉に手を置くと、それは虹色に光り輝き出した。


 「お……お見事です!全属性に対応していて、魔力量だけでなく、全てのステータスにおいて、見た事のない数値です。

 魔力の数値だけ、文字化けしていますが、知力がとても高いため魔法使いや召喚士が向いていますよ」


 そう言いながら冒険者用のステータスプレートを渡された。

 ステータスの内容は、知力5000、運3000、体力500、攻撃力5、防御力1000 というものだった。


 「あれ?攻撃力、めっちゃ低くないですか?」


 「あ、本当ですね。見落としていました。この攻撃力は葉をむしるのが精一杯という感覚ですね。

 では、これにて冒険者登録を終わります。お仕事、頑張ってくださいね!」


 冒険者登録を終えると早速、魔物を討伐するために近くの山へと向かった。


 「はあ……。ギルドにもっと人数が集まってれば、ちやほやされたのかな……」


 このやるせなさを何かで発散したい気持ちになっていた。

 俺だってもっと褒め称えられたかった。俺のステータスで騒がれて、異世界の冒険者デビューを果たしたかった!


 「そうだ!今から向かう山に魔法をぶつけてストレス発散だ!」


 俺の方針は決まった。

 俺のステータスを誰にも褒めてもらえなかったことで溜まったストレスを攻略対象である土地で発散させよう。


 レッドドラゴンに乗って少し飛ぶと、一瞬で山の麓に辿り着いた。

 なぜ山の上ではなく、麓にしたかと言うと、今からこの山は俺に消し飛ばされるからだ。


 「よし、今日はバカでけぇ隕石でも召喚するか。

 ……《サモン・サークルR》!」


 ゴゴゴ……ドーンッ!!


 我ながらいい威力だと思った。

 ほぼ山と同じ大きさと形状の隕石を召喚し、爆発音を最小限に抑えた上でのこの威力……。


 「ふぅ……。完璧だ」


 山は完全に消滅し、この周辺は火炎に包まれ、とても美しい眺めだった。


 「俺は悪くない。誰も褒めてくれないのが悪いんだ……」


 心がすっきりした俺は、隕石に巻き込んだ魔物の残骸をアイテムボックスに入れてから、大人しく街へと帰ることにした。


 ギルドの受付で魔物の残骸を渡すと、魔物の種類とどれくらいの金額になるかを教えてくれた。

 ホワイトドラゴンモドキという中級の鳥型の魔物だという。金額は金貨1枚、つまり100ゴールドになるらしい。

 俺はこれを500体持ち帰ったので、金貨5枚をもらえた。


 「うん!これなら、毎日金貨で買い物してても怪しくないな」


 これからは、魔物狩りを暇つぶしとして楽しむことにした。

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