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part1.事後

 このエピソードは、『下剋嬢 短編』の続編となっています。見ていない方は是非そちらから見てください。


 後悔しても、知りません。

「是非、お礼をさせてください。」


 バンは、ランズがいた方向に振り向く。しかし、恩人であるランズの姿は無かった。いや、”いるべきでは無かった。”


 この再会が、いかに感動的かを知っていたからである。


 



 バンの正面から一人、目を合わせると少し愛想笑いをするアドラースの夫人が、こちらに歩いて来た。


「農民であったあなたも、これからは、あなたも貴族の身。気を引き締めなさいよ。」



 優しい口調ながらにして、静かな圧を感じる夫人の声。そんな感情を、バンは一度だけ”体験”した気がする。



(何か………懐かしい響き。)



 とは言え、未だ”曖昧”な記憶である。他人に言えるほどの確証もなく、多分一生、誰かに話す事はない。



「はい!!誠心誠意頑張ります!」


 バンが発した声に、アドラース夫人の奥深くに眠った”記憶”が反応する。


 そして、一人の人物像が、夫人の頭に映し出された。


 (この声、もしや…………………いや、そんなわけないわよね。)



 曖昧な”感情”が、アドラース夫人にもよぎったのである。




 両者共に、一生気づく事のない”記憶”、曖昧な感情。それを、唯一知っている人物がいる。それも、以前までは赤の他人であった、たった一人の男性。



 ランズである。




 では、その”記憶”とはなんなのか。それを知るためには、少し昔話をする必要がある。





 バン 18歳女性 職業農民


 しかし、これはあくまでも本人が”思っている”だけ。”真実”ではない。




 10年前の、とある晩秋の時期である。その当時、貴族の”娘”が至る所で攫われる事件が起きた。


 俗説ではあるが、この誘拐には<ゴイ・クヤザス>と云う犯罪集団が関わっていると聴いた事もあるだろう。



 その被害者の一人に、アドラース・メインと云う人物がいた。



 その人物こそ、今のバンである。



 しかし、それでは数々の疑問が生まれる。


・何故アドラース家の両親はバンをメインだと思えなかったのか。


・何故、メインは農家娘になっているのか。




・何故………ランズはこの一部始終を知っているのか。



 これらを矛盾なく説明するためには、まだまだ過去を遡る必要がある。そして、そこにはバン(当時、メイン)とランズの他に、二つの勢力が関わる。



 一つは、俗説に出てきた<ゴイ・クザヤス>率いる勢力。



 そして、ランズの主人。ザイン・クマールの存在である。




 この物語は、この二つの勢力と、ランズのとある”関わり”が生み出した悲惨な記憶。その一部始終である。



 

 







・ランズは”ザイン”と云う人物に仕えていた。

        ↓

 <ゴイ・クザヤス>は、誘拐に関与している。


・      ???



・      ???




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