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運命に嘆く転生者  作者: 神戸の豚肉
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プロローグ

俺は幼少期から親が用意した人生を歩むようになっていた。

裕福な家に生まれて、英語やらそろばんを小さいころから習わされ、親に言われた小学校に入学され、親の指定した中学に受験をして、受かって、部活も勉強もそこまでやらず、進学校に入学して、勉強をやらず、大学に行ける程の実力がない俺を無理やり大学に行かすために、多額の金を学校に渡して入学して。

誰が嬉しいのだ、そんなことで大学に入って。

もちろん多額の金をつぎ込んで入学したことが周りにばれた。

その後周囲よってくる人と寄ってこない人の特徴がはっきり分かった。

俺を避ける人たちは、必死に受験勉強をして受かった人たちで、自分は努力して入学したのになんでこいつは努力もせず親の金で入学してるんだと考えているだろう。

別に俺に寄って来る人たちが努力してないとか俺と同じ方法で入学したとか、そういうことを言いたいわけじゃない。

俺に寄って来る理由が金目的なのはわかっている。

自分の努力を否定するような行動をしてくるやつに近づきたくない気持ちがあるが、こいつと関わって繋がりを作れば、将来的には自分の得になるだろうと考えて近づいている。

俺を避けている人たちからの声は聞こえないが、寄って来る人たちからは

「次別の教室だからそこまで荷物持とうか?」やら

「なんか飲み物とか買ってきてやるよ」だとか、

妙にほめてくれたり、ヨイショしてくれたり、何がなんでも俺との交友関係を築こうとしてきた。

それに怖くなり、大学も退学し、ニートにジョブチェンジをした。


ニートになってからおおよそ10年ほど、立ったであろうか

最後にカレンダーを見たのが,,,,,いつだろうか

そんなもうそろ部長にもなりそうなベテランニートに悲しい情報が入った

両親ともになくなったらしい

今家にいるのは妹俺兄兄だ。いつも家にいるのは俺だけで兄2人は仕事に、妹は大学近くのマンションにいる

だが今日は葬式が終わった後、遺産や遺品を調べ、誰がどれほど相続するのかという話をしに来たらしい

遺書はなかったと聞いた

これだけの子供たちがいるのに遺産の分け前とか残さないとか

喧嘩させる気なのか?と思うだろう。

でも俺は違う、しっかりとした根拠と志をもって今日!この話をしに戦場に来た。

「私たち四人均等に25%づつ分ければいいんじゃないかしら」

「そうだな、それが一番平和だ」

兄や妹がそう決めようとしたとき。

「何勘違いしてやがんだ、お前らは母ちゃんや達に嫌われたから就職や大学に入学するように促したんだ!おかしいとは思わないのか?これだけ裕福な家庭で一生仕事せずに過ごせるのに、なんで外の世界に出したんだ?もう一度言うぞ?お前らは嫌われてんだよ!確かに俺は大学に入学した。だが、それは親が金をだしてできたものだ!俺に金を費やすのをためらわないんだ!しかも大学をやめても養ってくれたんだぞ!俺が一番愛されてたんだ!俺が遺産を全部受け継ぐべきなんだよ!!! 」

言い終わった後兄妹たちみんなが俺をじっと見てくる。

変な感覚が背中を巡った。

罪悪感のような、焦燥感のような、いや,,,,寒気かな?

なんか、悪いことした気分になった。

俺は正しいことをいったはずだ、間違っているのはむこうだ。

そんなことを思っていたところに....

「----っふご!!」

胸部に重たい拳がとんできた。

一瞬目の前がピカッと明るくなった、人影が3,4人ぐらい見えたが、すぐに視界がもとに戻った。

「何勘違いしてんだ!この豚!」

「甘ったれてんじゃねぇぞ!」

「いい加減自立して出ていきなさいよ!」

倒れてる俺に追い打ちをかけるように、兄妹たちから罵倒が飛んでくる。

家族にそこまで言うとか、人の心がないのかこいつら、

「--ッち、わかったよ、自立して出て行ってやるよ。後悔してももう遅いぜ?」

なんで急にこんなこといったのだろう。

みんな俺をぽかんとした表情で見てくる。

そんなに俺がすんなりでていくのが意外だったのか?

と考えながら玄関に向かって足を運ぶ、荷物も持たずに向かう。

ドアノブに手をかけるとき、後ろを振り返ったが、兄妹たちはいなかった。

案外切り替えが早いんだな。

外は雨だった。辺りはもう暗かった、真っ黒というほどではないが、街灯がなければ見えないであろう。

まぁ、俺が住んでいる県は都会だがら暗くはない。特に俺の気分よりはな。

これからどこに行こう。自立するといったが、どうすればいいのだろう。

そうだ、まずは仕事につかないと、仕事に就くには住所がいる。つまりは家がいる。

....まてよ?俺は今さっき家を追い出された。いや、出てった。

いまから家に帰って「わりぃわりぃ住所ないと仕事つけないんだよ。だからもう少し住ませてちょ.」とは言えない。へんなプライドがある。

「詰んだなこれ」

引き返せない、打つ手がない、もう詰んでいる。

そんな言葉が頭を支配した。

ただまっすぐ、目の前にある道を何も考えず、だんだん重たく感じる足を動かす。

気づくと大通りに出ていた。

こんな時間なのに車はまだ通ってる。

「みんな、親離れして、働いてたんだな」

自分が言った言葉を振り返ると、外の世界を知らなすぎだ。

いっそこのまま車に跳ねられてやろうか。

いや、痛そうだからやめておこう。痛いのはいやじゃ!

また、歩く。行き先があるわけじゃないのに。

「なんかここで徳でも積んで転生できないかな」

楽観的にそう考えてそのまま口から出た。

一瞬目の前が明るくなった。また人影がいる。そう思った時

ブォォォォォン!!

目の前を高速で車が通った。

バコォォォォン!

「は?速度違反どころじゃない....」

目の前で事故が発生した。

さっきの車が3人を跳ねて歩道に突っ込んでいた。

そしてさっきの轟音は車が壁にぶつかった音だった。

「おいおい、嘘だろ」

そんなことを言った時、さっきの言葉を思い出した。

""徳を積む""

そこからはデブとは思えない速度が出た。

車内にいる人は即死だとして、轢かれた人の生死を確認しに走った。

車と彼らの距離はおおよそ5m。

全員綺麗に宙を待って倒れたから、ペシャンコに踏み潰されてる人は絶対にいない。

まずは1人目女子高校生だ。

別に女からやったわけじゃないぞ?

「おい!あんた大丈夫か?!」

「う、うーん、げほ」

いいぞ起きそうだ。そのまま目を開けて目の前にいる人を白馬の王子様だと信じてくれ!

体から力が抜けるのを感じた。

死んだか?いや、まだ息がある。また意識を失ったのか。

ならば次だ。隣にいる男子高校生。

「早く目を覚ませ!おい!」

だめだ全く起きない、そういや救急車を呼ぶのを忘れていた。

でも俺はスマホを持ってきていない。どうしよ、

ないならパクればいいじゃないか!

そんなわけで男子高校生君、すまないが借りるよ。

変なサイトとか絶っっっ対見ないからね。

「おい、事件だ早く救急車を持ってきてくれ場所はーーー」

これでよし、最後の人は痩せすぎているサラリーマンだ。

そのサラリーマンのお姫様だっこし、遠くに運ぼうとした。

なんでか、わからない。そんなとき

バゴォォォーン!!

二度目の轟音だ、振り返った時、視界は炎に包まれた。

「あ、熱い!あぢぃよ!たすけてくれぇ!」

俺は爆発を受けてもなお意識を保っていたが、四肢の骨はほぼほぼ折れ、外傷もひどく、炎を身に纏って暴れている。

サラリーマンの人は、俺が爆風で吹っ飛ばされた時に手を離したせいか、遠くにいる。

俺のように焼かれてないし怪我もなさそうだ。

高校生2人は俺の判断不足で即死だ。

すまない、成仏してくれ。

そんなことを考えながら、俺は痛みを感じながら死んだ。


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