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第三話

同日。

アングリージュ魔法学校、校内。


(はぁ今日も授業は暇だな)


グレイズはペンを回していた。


「みんな。机の下に隠れて」


カリスが突然、黒板に文字を書いていた手を止めた。

生徒は何が何だか分からず言われるがまま机の下に隠れ始めた瞬間。


バァァァン!!!


轟音と共に紫色の光線が壁を破壊して生徒達が隠れていた机を吹き飛ばした。


「何よう?」


カリスは平然と言う。


「何が」


一人の生徒が言った瞬間。その生徒の首が飛ぶ。


「いやぁぁぁぁああ!!」


女子生徒が叫び教室から飛び出した瞬間。目にも止まらぬ速さで投げられたナイフが脳天に命中し倒れた。


「グレイズ君...」


「カルミア...逃げるぞ」


生徒達はパニックに陥っており廊下に飛び出した者たちは皆悲鳴を上げて倒れていた。

グレイズはとりあえず机の下に隠れつつ二人で外に逃げる事だけを考えていた。

幸い武器は杖と剣がある。


「何が目的だ」


「あぁ俺を覚えてないのですか...悲しいです」


「じゃあそのフードを取れ!!」


男は白いフードを外しカリスに素顔を見せる。


「お前は...ナリグ...8年前に退学になった」


「そうです。地の底から舞い戻って来ました」


「そうか。じゃあ他のメンバー達も退学者か?」


「ご名答。じゃっ死ね」


グレイズ達は机の下から会話を聞いている。


(カリス先生の過去の生徒か...何故こんな。いや今は逃げることを考えろ)


隣の教室からも悲鳴が上がる。

その瞬間、衝撃波が床を揺らす。

カリスとナリグが戦闘を始める。

破壊された扉から廊下に出る事ができてカルミアの手を引っ張り走り出す。


「後ろに!!」


カルミアが叫んだ瞬間、白いローブを着た人物がナイフを持ち走って来ていた。

グレイズは剣を取り出して斬撃を防ぐ。


「エクバアクア!!」


カルミアが杖を白いローブの人物に向け魔法を撃つ。

水流が白いローブの人物を貫く。

『エクバアクア』は魔力消費が少なく子供の頃に覚える魔法だ。


「よし逃げよう」




「ゲイル様、私たちはどうしましょう?」


ナンバーズの部屋。

四番目のクロイがナンバーズ一番目のゲイズに問う。


「それは、わたしたちは生徒を守るために今からにでも行きましょう」


ゲイズが立ち上がった瞬間。窓ガラスが割られる。


「ナンバーズが居たぞ!!!」


白いローブを着た人物達が一斉に割れた窓ガラスから室内に侵入してくる。


「やれやれ、やるしかないですね」


ゲイズが剣を抜こうした瞬間。


「いえ。ここは俺が」


と手で制した男はナンバーズ2番目エリガが言うエリガは剣を抜くと。


「バースレイン...」


と呟いた瞬間、侵入者達の後ろに立っていた。


「は、ははっなんだよさっき、っ!」


侵入者達は上半身と下半身が真っ二つに斬られている事に数秒遅れて気付いた。

地面に落ち血が流れ出ている。


「貴方には少しでも体力温存してもらわないと行けませんからゲイル様」


「ゲイル様!校則にはこう書いてあります。学校が崩壊する事になった場合、秘密の通路を使い郊外に出ろって」


カイニが言う。


「わかりました...では秘密の通路を使いましょう」


本棚を自力で退かして出て来たのはスライド式の扉。

扉を開けると中は真っ暗で下へと続く階段がある。


地下水路には二台車が置いてあるのだ。


通路を走り地下水路にたどり着き用意されていた黒い車に七人とも乗り込む。

車内は狭く男性陣は前の座席、女性陣は後ろの席に窮屈に座っていた。

車が発進する。




「はぁはぁ。グレイズ...わたし噂で聞いた事がある。この学校に隠し通路があってそこから外に出られるって」


「何?それは本当かい?」


「うん、確か図書室の一番左の本棚を動かせばあるらしい」


「図書室まではすぐだ行こう」


二人で走り出す。


「ねぇ」


「「っ!」」


二人は後ろを振り向く。


「戦おうよー」


フードで顔は見えないが女の声だ。


「くそっ!」


女はグレイズ達に襲い掛かる。

グレイズは剣でナイフの斬撃を防ぐを防ぐ。

女すぐに後ろに飛び。


「エクバブルス」


と呟くと火球が出現してグレイズに襲い掛かる。


「エクバアクア!!」


水流で消火する。


「へぇーやるじゃない」


そう言うとナイフを投げつけてくる。

グレイズはそれを躱し剣を構える。


(やってみるか...!)


女はナイフを数十本連続で投げ続ける。

カルミアが「ダスクガード」を使ったおかげで障壁により防いでいる。

攻撃が止み。そしてグレイズは構えに入る。

体全身に力を入れる。


「舞斬」


とグレイズは呟き女の間合いに入った直後に剣を突き刺す。

『舞斬』相手の間合いに素早く入り狙った部位に向かって剣を突き刺す技である。


「ぐはっ!」


女は口から血を噴き出し仰向けに倒れ込む。


「ははは!インフェリオリティ教団に栄光を!!!!」


女はそう叫んだ瞬間、ナイフが後ろから飛んでくる。


「なっ!!」


グレイズが視認した瞬間カルミアが視界に入りその身で攻撃を防ぐ。


「ぐはぁっ!!」


カルミアは倒れる。


「カルミア!!大丈夫か!?」


「グレイズ...わたしは大丈夫だから早く逃げて...」


「何言ってるんだ!一緒に逃げるぞ!」


カルミアの腕に刺さったナイフをく幸い傷口は小さい。

しかし油断はできない早く処置をしないと出血多量で死んでしまうからだ。


図書室の中に入り一番奥の左の本棚を動き現れた扉を開ける。

暗い通路に向かってカルミアを担いで進む。

階段を降り水路に着く。

車の扉を開けて助手席にカルミアを乗せる。

助手席を倒して少しでも楽な体制にさせた。


「大丈夫だから」


「ありがとう...グレイズ」


グレイズは運転席に乗り込みエンジンをかける。

運転技術はないが両親の車の運転を見て来たグレイズはハンドルを握りアクセルを踏む。

その瞬間。車は前に動き出した。


「行ける...やれるぞ!」


運転のコツが掴めたグレイズ早く敷地から出ることを最優先として考えていた。


「はぁ...はぁ...」


カルミアの吐息の声が車内に響く。


「大丈夫?」


「いや...少し...無理かも」


「まずいな」


車を停止させる。

すぐに車内に治療できそうな道具を探し始める。

グローブボックスを開けて中を確認するが説明書などの書類しか入っていない。

運転席から身を乗り出して後部座席を見る後部座席の床に救急箱が置いてあり救急箱を手に取る。

箱を開ける中には包帯と消毒液と絆創膏が入っていた。

カルミアの腕の傷口を消毒液をたらした布で優しく叩く。

しかし傷が染みるのか「あァッ!」と声を漏らす。

そして包帯を巻く。


「よしこれでいいはずだ」


「ありがとう。すこし痛みが引いたわ」


「なら良かった、俺が回復魔法を使えたら良かったのに...ごめん」


「グレイズが悪いわけじゃない」


車内が微妙な空気になったので運転を再開する。


「ここを抜けたらどこに行くの?」


「とりあえず出ることを考えてるからわからない」


「そう」


沈黙。


「...ッ!」


カルミアが苦しみ始める。


「どうした!?」


包帯が紫色に滲み始めていた。


(まさか...毒っ!)


「車を止めずにそのまま走って...!」


「だが...」


「お願い...」


「...分かった...」


スピードを上げて走る。

水路には車の走行音が響く。


そして見えてきた一筋の光。

光の中に入り水路を抜けて森に出る。


「よしっ!出たぞ!カルミア!!あっ...」


カルミアは目を瞑り息絶えていた。


「おい...嘘だろ...おい!」


「こんなのってないだろう.....」


グレイズの中に怒りの炎が湧き出る。


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