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詩「青い世界」

作者: 有原悠二

あの国道を南下して

這うように這うように

透き通るようなアクアマリン

ぼくの瞳にそよそよと

天然パーマを巻き上げる

遠い異国の見えない風の

少女の声すら聞こえない

空と海の境界線

ドミトリーで夢を見る

コバルトブルーの脱走兵

ぼくにはなにも映らない

見て見ぬふりの乾いた水着

南風からヤシの香りがただ淡く

ぼくは空腹だった とても とても

ターコイズブルーのさんぴん茶

ぼくはとても空腹だったんだ

 (二段ベッドの下がぼくの寝床さ)

押し寄せる青

波際に浸る青

遠くに帰る青

とても青くて 青くて

あまりにも

スカイブルーが降ってくる

傘のすきまをすり抜けて

まるで見えないニュートリノ

光速なんて目じゃなくて

  (重力なんて関係ないさ)

ああ 日差しのまぶしい芝の上

遠い南にマリンブルー

ぼくは空中 

雲の上

手足を動かしすいすいと

ここは絵本のような青の中

そう錯覚してしまうぐらいに

青のことなんて忘れてしまうぐらいに

とてもじゃないけど

振り返ったぼくは透明で

世界の青さが響き渡って

あの空と海に挟まれる


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