私の優秀で自慢のお兄ちゃん?
小さな明かりが照らす少し埃っぽい屋根裏部屋で私の部屋
学校から帰ると私はすぐに屋根裏部屋にむかい勉強をする。勉強が好きなわけじゃない、むしろ嫌いだ
でも勉強しないと両親に怒られてしまうから、出来損ないの私はとにかく頑張らないと両親に捨てられちゃうから
それだけは嫌だ、両親から見捨てられたら生きていけない
現実の世界は本みたいに上手いこと進まない、どれだけ頑張っても限界がくる、どれだけ辛くて耐えても助けが来るわけじゃない、上手くいく保証はない、だって世界は主人公にしか興味がないから
だから両親の言われたことに従う、そうすると死ぬことはないから、生きていける
そう思いながらノートに今日習った内容を復習していく
ペンを何時間も握り書き続けた手は豆ができていてところどころ皮がむけ痛々しくなっている
家での私の居場所は屋根裏部屋以外どこにもない
屋根裏部屋から出ればお母さんからご飯を貰えなくなる、お父さんから殴られる
だから私は屋根裏部屋から出るのは学校に行く以外ない
階段を登る足音が聞こえてくる
もうご飯の時間なのかな?
この部屋に時計はなく、時間が分からない分かる時間は毎日来るご飯の時間が午後8時だということだけ
扉が開きお母さんが入ってくる
「はいご飯」
そう言いながら皿を逆さにした、グチャっという音と同時に料理が地面へと落ちた
掃除などあまり行われていない部屋の床、埃が料理につき汚くなる
「私がアンタみたいな出来損ないにご飯を作ってあげてるんだから床がピカピカになるまで舐めてたべるんだよ」
「分かりました」
「はぁ、なんでアンタはお兄ちゃんみたいにできないのかな〜」
そうつぶやきながら部屋を出ていった
今日は落とすだけか、機嫌がいい日なんだ
お母さんの機嫌が悪い日は虫が入った料理が出てくることがよくある、食べたくないけど食べなかったとき後悔した
次の日の料理は死ぬんじゃないかと思うものが出てきた
……早く食べないと
埃がついた料理を手で拾い口へ運ぶ
口にいっぱいの甘みが襲ってきて段々酸っぱくなり最終的に口には苦味だけが残る
普通だと食べることも出来ないのだろうが私の体は壊れてきたのかこの料理を受け入れる
どうやったらこんな料理が出来るのだろう?
そんなことを思いながら口へと料理を放り込んでいく
そして眠りにつく、明日も今日と同じような日が来るのだろう
ずっとずっと
朝起きたら学校へ行き、帰り勉強をして料理を食べてまた1日が終わるそれの繰り返し
あぁ、神様お願いです
このまま朝の来ないようにしてください
夜ガタガタという物音で目が覚める
物音のする窓の方を見る
人が入ってくるのが見える、暗くよく見えないが誰が来たかすぐ分かった
「お兄ちゃん」
「こんな夜遅くにごめんな、ほんとはもっと早く来たかったんだが……」
お兄ちゃんは私とは違いとても優秀で凄い人、そうお母さんがよく言っている
だからお兄ちゃんは毎日忙しい、でもその中で時間を作っては私の部屋に遊びに来てくれる
だいたい夜になるんだけどね
「ん〜ん、お兄ちゃんが来てくれただけで嬉しいよ」
扉からだとお母さんに見つかるかもだからわざわざ窓から来てくれる
屋根裏部屋で登るのも大変なのに私のために来てくれる
それが嬉しくてお兄ちゃんが来てくれる日は私の特別、お兄ちゃんは忙しいからいつ来るから分からないからずっと窓の鍵は開けっ放しだけど
「そうか、それなら良かった。今日もたくさん話してやるからな」
「ほんと!!やった」
お兄ちゃんは来るたびに色々な話を聞かせてくれる
何があった〜とか、何をしたとか、それを聞くのが私はとても好きだった
だって話してるときのお兄ちゃんの笑顔はとてもキラキラしていて綺麗だから
それから、たくさんお兄ちゃんから話を聞いた
「あっ、もうこんな時間か」
お兄ちゃんが時計を確認しながら言う、楽しい時間はすぐに過ぎるというようにお兄ちゃんと居る時間はあっという間だ
「また来るからな」
「うん」
「あっ、」
何かを思い出したみたいに兄が声を出した
「どうしたの」
「お前1週間後開いてるか?」
「1週間後?」
「そう、1週間後ペルセウス座流星群があってたくさんの流れ星が流れるんだ。一緒に見に行かないか?」
流星群……そういえば学校でも誰か話してたな
流れ星をお兄ちゃんと見に行く、行きたいけど
「もしお母さんにバレちゃったら……」
「大丈夫すぐに戻ってくればいいんだよ」
ほんとに?すぐに戻ってくればバレない
それなら……
「行きたい」
「よし、じゃあ1週間後一緒に見に行こうな」
そういいお兄ちゃんは窓から出ていった
それから1週間がすぎるのはいつもより早かった、1週間の間お兄ちゃんが来なかったのは少し寂しかったけどこの日のことを考えると楽しみという感情の方が大きくへっちゃらだった
1週間後の8月13日の夜、私の部屋の窓が開きお兄ちゃんが入ってきて私を外に連れ出してくれた
「夏でも外は寒いなー、大丈夫か?俺の上着でも羽織るか?」
夏でも外の気温は低く少し肌寒かったが、全然耐えれるぐらいだった
「大丈夫だよ、それに借りちゃったらお兄ちゃんが寒くなっちゃうよ」
「ほんとお前は優しいなー。あっ、ついたここだよ僕が見つけた星を見るのにいい場所」
そこは坂道を登った先にある休憩所だった
周りには誰もおらず周りには街頭の1つもなく、とても静かだった
「ほら上を見てご覧」
空を見上げると空にはキラキラと光る星がたくさん広がっていて、今まで見たこともない景色が広がっていた
「きれい...」
「そう、それは良かった
これはペルセウス座流星群って言って8年に一回しか見れないんだお前と来られて良かった」
その一言が私の胸に広がり胸が暖かくなった……気がした
それからもお兄ちゃんと何気ない話をしながら眺めている
「お母さんにバレる前に帰らないとだし、もうそろそろ帰るか」
「……うん、そうだね」
まだ、ここにいたい家に帰りたくない
この時間がずっとずっと続けばいいのにな
「また来ようか流星群が見られなくても綺麗な星空はたくさん見れるよ」
「ッ、うん!絶対だよ」
「あぁ、絶対な」
また来れるんだ、キラキラと輝く星をお兄ちゃんと見て他愛のない話をして
そう考えるだけで、いつになるかも分からない日が楽しみで仕方なくなる
お兄ちゃんと来たときと同じ通路を歩く
また来ようねって、絶対だよ!っていつになく楽しそうにお兄ちゃんと話しながら帰っていた帰り道
いつになく楽しかった……
横断歩道を渡ろうとした私に車が突っ込んでくるまでは
怖くて目をギュッと閉じて足が動かなくなった
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い
死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない
その思いだけで心が埋まる
すると横からドンッと……誰かに押され…た?
目が開き横を向くと、お兄ちゃんと目があった気がした
一瞬のことだった私を押して庇ったお兄ちゃんが目の前で車に跳ねられた
手や足が曲がるはずのない方向に曲がっている
血もドクドクと流れ出て血溜まりが広がっていっている
周りが何か騒いでいたけど何を言っているのか分からない
気がつくと警察官に家まで送られていた
家に着くと私はお母さんを無視して自分の部屋に戻っていった
少しすると警察官が居なくなったのかお母さんが部屋に入ってきた
そこからはいつもは暴力は振らないお母さんが怒り狂ったように殴り蹴られ続けた
そして
「お前が変わりに死ねばよかったんだ、近くに居たんだろ庇ってでもお兄ちゃんを助けなさいよ!!」
そう何度も何度も何度も何度も言われ続けた
私もそのとおりだと思う、出来損ないの私より優秀なお兄ちゃんの方が生きるべきだと
お兄ちゃんはなんで私なんかを庇ったんだろうって
お兄ちゃんが亡くなってから私は学校に行かなくなった、勉強にも手を出さなくなった、お母さんはご飯の時間に毎日私を殴るようになった、ご飯もくれない日が出てきた
それでも捨てられないのは出来損ないでも娘だと少しは思ってくれているからだろうか
私は1日をだいたいを毛布の中で過ごすようになった……
お兄ちゃんの声も顔も体型も髪型も段々思い出せなくなっていった
でも夜になると窓の前に座ってボーッとする
来るわけがない、来れないと分かっていてももしかしたら死んでないかもしれない、会いに来てくれるかもしれない
そんなことを思ってしまう
一目見れば思い出せると思ってしまう、忘れるわけがないと
そんな日が続いたある日
私の部屋の窓が開きお兄ちゃんが部屋に入ってきた
「お兄ちゃん!!会いたかったよ、やっぱり生きてたんだね」
私はお兄ちゃんに抱きつきながらそういった
そして……
「あぁ、俺が死ぬわけないだろ?これからは毎日遊びに来てやるよ」
そう言ってくれた
それかというものお兄ちゃんは言ったとおり毎日遊びに来てくれた
話しててもなぜか前みたいに楽しくと思わなくなったし、前話したことを覚えてないことがあった
けど、そんな私を楽しませるためかお兄ちゃんは新しい遊びを教えてくれるようになった
遊び方は私の体にお兄ちゃんのモノを入れるんだって
楽しくは無いし痛いけど私を楽しませるためにしてくれてるんだって
それだけはとても嬉しかった
やっぱりお兄ちゃんは優しくて私のことを考えてくれている
優秀で自慢のお兄ちゃんだ
「大好きだよ、お兄ちゃん……」
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