王主催パーティー①
「いやあ~、君たちはきっと最強聖女だよ~。なんなら今度、僕主催のパーティーにティラー伯爵家で来てほしいんだけど……どうかな?」
……えっ?
ほっ本当に言っているの!?
王主催のパーティーなんて、オマスペルマスじゃあ大公爵と公爵、それと侯爵のみが行けるものだったのに……。
私達は元伯爵。ただの平民。
しかもペルミルンに来てまだ一日も経っていないのよ!?
どれだけお心が広い方なのかしら……。
「これだけ魔力の強い二人だから、家族も気になって」
陛下は、ニコニコ顔でそう言う。
はあ、軽いですね。
感動した私が馬鹿だったかしら。
確かに、聖女の質が良ければ良いほど、聖女を輩出している家も気になるわ。
それならぜひ参加するほうが良いわよね。
「ご厚意に答えさせていただきます。ぜひ、参加させていただきますわ」
私が、微笑んで返事をする。
パーティー、しかも王主催なのですから、ドレスやアクセサリーに凝らなくてはなりませんね。
まずは日にちを聞くのが最優先ですね。
「それで――日にちのほうはいつなのですか?」
「明日だよ」
「「えええええええっ!?」」
あ、明日ぁ!?
そ、そんなにいきなり実施できるのかしら??
王主催ということはきっと豪華にパーティーを開くのでしょう。
準備が間に合うかしら……。
「なんだい? 明日はあいてなかったかい?」
「いえいえ! 王主催のパーティーなどという貴族にとって最高の事がすぐ出来るということを……」
「無理しなくていいよ。日にちに驚いているのだろう? 『善は急げ』だからね」
はあ。
『善は急げ』って、「良いことはためらわずに、直ちに実行せよ」って意味よね。
私達には嬉しい出来事だけど、陛下にとっては嬉しいのかしら……?
「早急の実施、ありがとうございます。では準備のため、帰らせていただきます」
「ああ。楽しみにしているよ」
ああ、なんだか緊張してきたわ……。
「「テレポーテーション〗」」
「お父様、お母様! 明日実施する、陛下主催のパーティーに誘われたのです‼」
「えっ!?」
まあ、驚かれるのは当然ですわよね。
「準備しなくては!」
「アンジュもエイミも準備して‼」
わかってますわよ。
私は足取り軽く、自分の部屋に入った。
エイミはもうこの部屋には居ない。
オマスペルマスを離れたから、エイミも自分の部屋がもらえるようになったの!
さて、ドレスは何にしようかしら?
アクセサリーは何にしようかしら?
緊張するけど、選ぶのも楽しいわ‼